16/11/13 19:54:52.87 CAP_USER9.net
◆「なんで?」と問う実母にハンマー一撃 両親にカネ無心され…おとなしい男を凶行に走らせた家族の呪縛
昨年夏、重さ約4キロのハンマーで実母=当時(59)=と実母の内縁の夫=同(54)=を殺害、遺体をキャリーケースで運び込んで隠匿した-。
それぞれの殺人と死体遺棄の罪に問われた京都市左京区の無職、崔裕(ひろき)被告(31)の裁判員裁判の判決公判で、京都地裁は9月、懲役25年を言い渡した。
判決は「強い殺意に基づく極めて危険なやり方」で犯行を実行したと厳しく指弾する一方、「酌むべき事情が少なからず認められる」として、検察側の求刑である懲役30年から量刑をやや減じた。
その背景には、判決が「実母らとの関係で辛く厳しい状況に置かれ、多くの場面で実母らの意向に沿う行動を取らざるを得ない心理状態にあった」と指摘する複雑な家族関係があった。
◇窓にたかった大量のハエ
昨年9月8日。駐車場管理会社の30代の男性従業員は異様な光景を目にした。「窓に大量のハエがいる」。
京都市内のコインパーキングに止めてある軽乗用車の未払い料金を徴収しようと2階建て民家を訪れると、民家の窓にハエがたかっていたのだ。
不審に思った従業員からの110番を受け、駆けつけた京都府警の捜査員が民家の中を確認すると、1階の風呂場付近で、タオルケットをかけられ一部が白骨化した女性の遺体を発見。
リビングでは、ブルーシートに覆われたスーツケースの中からミイラ化した男性の遺体を見つけた。
4日後、府警が逮捕したのは事件後所在不明になっていた崔被告。
遺体の女性は実母で、男性は実母の内縁の夫だった。
逮捕当初、容疑を認めながら、動機については「今は言えない」と述べていた崔被告。
だが、京都地裁で開かれた公判では「うまく言えないけど、(実母と男性の)2人のことを何も受け入れられなかった」と、その一端を打ち明けた。
◇生活費はわずか月3万円
公判では、崔被告の姉が証人尋問に立った。
姉は「ご遺族には悪いけれど」とした上で、崔被告に殺害された男性から「家に金を入れろ」などと言われたことを明かした。
実母についても「親を子供が助けるのは当たり前」などと金を要求されていたと振り返った。
金がなかったり、無視したりしても、しつこく電話をかけてくるなどしたため、持っている限りの金を渡すしかなかったという。
崔被告も姉と同様だったようだ。
被告人質問などによると、崔被告は平成21年、同市左京区で鉄板焼きの店を開店した。
だが、店の売上金は実母ら2人が管理しており、結婚して家族3人を養っていた崔被告にわたった生活費は月3万円ほどだった。
開店準備のための借金の大半は、2人の生活費に消えていた。
「被告人は、抵抗すると理不尽な扱いがさらに続くという思いから、そのような扱いに抵抗するでもなく、ただただやり過ごしてきた」(判決文)という生活。
1年ほどで店の経営が行き詰まると、1千万円以上の借金を背負い込むことになった。
写真:一部白骨化した女性とミイラ化した男性の2遺体が発見された民家(左・ブルーシートがかけられた家)を調べる警察官=平成27年9月9日午後、京都市左京区
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産経WEST 2016.11.13 06:00
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