16/10/19 23:07:57.33 CAP_USER9.net
相続の取り分を決める「遺産分割」の対象に預金は含まれない―。こんな裁判のルールが見直されることになりそうだ。遺族間で争われた審判で最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が19日、双方の意見を聞く弁論を開いた。判例を見直す可能性が高い。話し合いや調停では預金を含めて配分を決めるのが一般的で、裁判所も実態に合わせる。
判例は預貯金を遺産分割の対象とせず、不動産や株式といった他の財産と関係なく、法定相続の割合に応じて相続人に振り分けられると考えてきた。最近では2004年の最高裁判決が「預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される」とした。
話し合いや調停では預貯金も含めて取り分を決めることが多い。ただ話し合いで結論が出ず家庭裁判所の審判に争いが持ち込まれた場合、原則は預貯金を区別して分配しなければならない。「兄は土地と建物、弟は預貯金全額」のような分配ができず、調停などの実務との隔たりが指摘されていた。
今回の審判では、約4千万円の預金の相続をめぐって遺族2人が争った。1人は故人から生前に5千万円を超える贈与を受けたため、もう一方の親族の女性が「生前贈与を考慮せず、法定相続分に従って預金を2分の1(2千万円)ずつ分けるのは不公平だ」と主張。遺産分割の審判を裁判所に申し立てた。
一、二審は判例に従って女性の主張を退けたが、最高裁は今年3月、審理を大法廷に回付した。大法廷は判例を変更する場合などに開かれる。決定は早ければ年内に出る見通しだ。
19日の弁論で、審判を申し立てた女性の代理人は「預貯金を遺産分割の対象から外せば、相続人同士の平等性を確保する道が閉ざされる」と主張。生前贈与を受けた親族の代理人は「現行法では遺産分割の対象としなくても法令違反はない」と反論した。
法制審議会(法相の諮問機関)が進める相続分野の見直しでは、遺産分割に預貯金を含める案が議論されており、最高裁の判断は法改正にも影響するとみられる。
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