16/10/11 20:31:19.85 CAP_USER9.net
◆飛行機の気圧差でも発症する脳脊髄液減少症に有効な治療法
脳は、頭蓋骨に満たされた脳脊髄液の中に浮いた状態で存在している。
このため、身体が反転したり、逆立ちしても、脳はほぼ同じ状態を保つことができる。
ところが、脳脊髄液が何らかの原因で減少すると脳は重力の影響を受け、下方に下がる。
そのため、脳の表面の血管や神経が引っ張られて頭痛などの痛みが起こる。
これが脳脊髄液減少症だ。
立ったり、座ったりして頭に重力がかかると激しい頭痛が起こり、とても立っていられない。
しかし、横になると痛みが軽くなるのが典型的な症状だ。
(中略)
脳脊髄液が漏れると頭の中の静脈、脳や脊髄の表面を覆っている硬膜がうっ血する。
このうっ血でめまいや不定愁訴などの症状が出ることもある。
そこでMRIやRI(脳槽シンチグラフィー)、CT(ミエログラフィー)検査などの画像検査で、脳脊髄液が漏れていないか、どこから漏れているかなどを調べる。
脳脊髄液が漏れていても漏れが少ない場合は、1か月程度安静にしていれば、約80%漏れが止まるといわれている。
「自然に脳脊髄液が漏れている場所が癒着しない場合は、ブラッドパッチ治療をします。
MRIなどの検査で、硬膜の外側に水が漏れている箇所が画像でわかります。
漏れた場所に、外から患者の血液を注射すると、そこで血液が固まります」(喜多村教授)
患者本人の静脈血を20~50ミリリットル採取し、硬膜外針という器具で硬膜と背骨の間にあるスペース(硬膜外腔)に注入する。
注入された血液の成分がノリの役割を果たし、髄液が漏れている場所を塞ぐ。
大人の場合、2、3回のブラッドパッチ治療で、約75%が治癒し、15歳以下の子供では、1~2回で90%以上が治る。
本人の血液を利用するため、副作用も少ない。
脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチ治療は、2016年4月から保険適応になっている。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号 取材・構成/岩城レイ子
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NEWSポストセブン 2016.10.11 16:00
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