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食事中もにぎやかな子どもたちを見て回る川辺康子さん(中央)=大阪市西成区で、反橋希美撮影
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地域の児童に無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」が急増する中、関西で食堂のネットワークをつくる動きが出ている。中心になっているのは、2年前から大阪市で「にしなり☆こども食堂」を運営する川辺康子さん(50)。「全小学校区に一つは食堂を広げたい」との願いを込める。【反橋希美】
「今日のメニュー何?」。10月初旬のある夕方、大阪市西成区の民間福祉施設「にしなり隣保館スマイルゆ~とあい」。1階のコミュニティーカフェのキッチンから漂う香りに、子どもたちが集まり始めた。週2回ある「こども食堂」の開催日だ。午後6時前、集まった約60人が、川辺さんの「いただきます」の合図で食べ始めた。
献立はカレーとコロッケ、サラダ。小学5年の女子児童は「お母さんは仕事で遅い時があって弟と来る。みんなと一緒に食べられるから楽しい」。4歳の息子と来たシングルマザー(32)は「調子が悪くて何もできない時、ここに来れば手作りの夕食が食べられるのでありがたいです」とほほ笑んだ。
■食事無料で、大人も一緒に
川辺さんが食堂を開いたきっかけは2010年、働いていた「市民交流センターにしなり」の料理教室で、ある4歳の男児と出会ったことだ。髪はボサボサで、何日も風呂に入れていないのか臭いが気になった。事情を聴こうとすると姿を消し、数週間たつとまた現れる。かろうじてつながる糸をたぐり寄せようと、14年夏からセンターで食堂を始めた。
だが男児は初め、「何で恵んでもらわなあかんねん」と来たがらなかった。「子どもなりの『ここにいる理由』が必要と気づかされた」と川辺さん。センターで学習支援など他の居場所づくり事業と並行して開催すると、男児や他の子どもも徐々に定着。センターが今年3月に閉館後は「ゆ~とあい」で居場所事業と食堂を続ける。
参加は大人も含め「誰でも」受け入れ、多い時で60人を超える。「経済的に困窮しているのは半数ほど」とみるが、食事代は無料。「無条件で受け入れられる経験なく育った大人の『育て直し』の場にもなれば」との願いがあるからだ。現在、運営は1回6000円の助成金や食材の寄付でまかない、主婦や大学生らボランティアが調理を担う。
■民営集う、情報交換の場
昨年から今年にかけて急増する子ども食堂は、ほぼ民営だ。貧困対策のほか、親が仕事で忙しい家庭の子どもの孤食を防いだり、ボランティアでかかわる高齢者ら大人の居場所にもなったり、と食堂によって狙いや効果はさまざまだが、子どもが集まらないなどの理由で休止する団体も出ている。
関西の食堂ネットワークは、運営や開設への助言を求められる機会が増えた川辺さんが発案。準備中の団体も含めて大阪、兵庫、奈良、三重の約20団体が参加し、今月中旬にも「こども食堂ネットワーク関西」としてウェブサイト(URLリンク(kodomoshokudou-kansai.network))を開設。不定期に開く会合やメーリングリストなどで情報交換する予定だ。
先だって9月上旬に大阪市内で開かれた「こども食堂サミットin関西」では、「(支援のため)子どもの親にも来てほしいが、どうすればよいか」などの声が出た。川辺さんは「それぞれのノウハウを共有したり、食材や調理器具を融通したりして、助け合って食堂の輪を広げたい」と話す。
■ノウハウや体験談紹介 東京のNPOが刊行
子ども食堂間のネットワークは、昨年4月に関東圏の食堂が始めた「こども食堂ネットワーク」が最初で、現在は全国約140団体が参加する。呼びかけ団体のNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」(東京都)は今夏、運営のノウハウや体験談を紹介する「子ども食堂をつくろう!」(明石書店、1512円)を刊行。栗林知絵子理事長(49)は「子ども食堂は、まちの人と人がつながり直す場になりうる取り組み。これなら自分もできるというヒントを得てもらえたらうれしい」と話す。
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