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混迷を深める築地市場の豊洲移転問題で、石原慎太郎元東京都知事(83)が「週刊文春」の取材に、交渉は浜渦武生副知事(当時)に任せていたと語った。
築地市場移転を掲げていた石原氏だが、豊洲の土地所有者だった東京ガスは、独自の再開発計画を立てており、2001年1月には環境基準値を上回るベンゼンなどが検出されたと公表するなど、交渉は難航していた。
2000年秋頃から交渉を担当することになった浜渦氏は、2001年2月に東京ガスの副社長と<覚書>を交わし、容積率の見直し、防潮護岸の整備に係る開発者負担の見直しなどを行うとした。
交渉は7月6日に妥結し、<築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意>を交わした。元都庁幹部が解説する。
「もともと防潮護岸の整備費は東京ガスも相当程度負担する予定でした。ところが合意文書では、東京ガスの負担をゼロにするという条件が盛り込まれたのです」
浜渦氏は、週刊文春の取材に対して、「私、タッチしましたよ。担当の副知事がいたけど、話が進まなかったので。ダメだったから私が引き取ったんです」と答えた。
東京ガス広報部は次のように回答した。
「築地市場は都民をはじめ多くの人々の生活を支える重要な公益施設であることから、基本合意に達しました。弊社としては、『東京都からの要請』と受け止めております」
石原氏は、小誌の独占直撃に次のように語った。
―なぜ汚染された豊洲の土地を買ったのか。
「何も知らない。あれは福永(正通副知事)から引き継いで浜渦(武生副知事)がやったんでしょ。僕はね、横田(基地)とか、大江戸線とか、尖閣諸島を守ることに必死だったから」
―つまり豊洲は専門ではない?
「まあ、彼は一緒に使命感を持ってやっていたけどね、僕は人から聞いたんだけど、浜渦が胸張って『俺が実質的知事』と言ってた(笑)」
石原氏は、書面でも次のように回答した。
「このような重要な案件を任せたことで、浜渦氏が過剰な権限を行使するに至ったのであれば、強く反省しています」
築地市場の豊洲移転を巡っては、盛り土問題だけでなく、総事業費が約5900億円に膨らんだことなどが問題視されており、小池百合子知事の対応が注目される。
9月21日発売の週刊文春では、同問題への石原氏と“都議会のドン”の内田茂氏の関与を詳報している。
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