16/08/16 10:51:20.22 CAP_USER9.net
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7月末に実施された東京都知事選ではスウェーデンの国家予算にも匹敵する、都の財政規模の大きさが話題になりました。それでは他の道府県の財政規模はどのくらいになるのでしょうか。
歳出総額1位の東京はダントツで6兆円 2位大阪府 少なかったのは…
総務省がまとめた本年度地方財政白書では、2014(平成26)年度決算について報告しています。通常、地方公共団体の会計は、「一般会計」と「特別会計」、「公営企業会計」(水道・交通・電気・ガス・病院・下水道など)に区別しています。
しかし、各地方公共団体の会計区分が一様ではないため、総務省は決算統計上、先ほどの公営企業会計や国民健康保険事業会計・後期高齢者医療事業会計・介護保険事業会計など、公営事業に関する会計を除いた一般行政部門に関する会計を「普通会計」と呼んでいます。
白書によるとこの普通会計の歳出総額が最も大きかったのは東京都6兆5540億1731万円です。次いで大阪府2兆7945億2238万円、北海道2兆3908億7815万円、愛知県2兆2475億292万円、兵庫県1兆9970億4408万円と続きます。
一方、歳出総額が最も少なかったのは、鳥取県の3415億3173万円です。続いて、少ない順に、香川県4187億3041万円、佐賀県4272億4106万円、高知県4309億7199万円、福井県4444億3699万円となっています。
人口一人当たりの歳出額で最も多いのは福島県
この歳出額を人口一人当たりにすると、どのくらいの額になるのでしょうか。歳出総額を2015(同27)年1月の各都道府県人口で計算してみました。
すると人口一人当たり歳出額が最も多いのは福島県97万2千円でした。2位は岩手県74万9千円、3位島根県73万4千円、4位徳島県61万2千円、5位新潟県59万7千円です。反対に一人当たりの歳出額が少ない順は、神奈川県21万3千円、埼玉県23万3千円、千葉県26万円、愛知県30万円、静岡県30万3千円となっています。最も多い福島県と、最も少ない神奈川県を比べると4倍以上の差です。
財政力指数とほぼ反対のランキング
福島県はどんな歳出額が多いのでしょうか。内訳をみていると民生費の災害救助費が全国で最も大きくなっています。2位の岩手県も土木費や災害復旧費が高く、東日本大震災分が影響しているとみられます。また、歳出額が最も少ない神奈川県は、全国20ある政令指定都市のうち、最も多い3都市(横浜、川崎、相模原)があります。埼玉、千葉、愛知の各は1つの都市が、静岡、福岡、大阪の各府県は2つの都市が政令指定都市になっています。政令指定都市は都道府県とほぼ同格で、県などから所管が移った事務に伴い、市の方に財源移譲が行われているのです。
また、都道府県別の財政力指数と照らし合わせてみます。すると、2014年度財政力指数上位の自治体(1位東京都、2位愛知県、3位神奈川県、4位千葉県、5位埼玉県)の多くが、一人当たりの歳出額の下位ランキングになっていることがわかります。対照的に、県民一人当たりの支出が高いのは、財政力指数の低い自治体が目立ちます(低い順に、島根県、高知県、鳥取県、秋田県、沖縄県、徳島県)。
財政力指数は、国が財政援助の程度を決定する指標となっています。神奈川県が2014年度に受け取った地方交付税交付金を住民一人当たりに換算すると8616円でした。しかし、島根県住民一人当たりの場合は26万2246円と大きな違いになっています。こうした国からの“援助額”の違いが歳出額のランキングにも反映されているといえます。
また、東京都は全国の都道府県で唯一、地方交付税交付金が支払われていません。ただし、東京都は、23特別区に代わって徴収する税があり、通常は市町村が行う消防などの事業を代わって行っているため、財政力指数ランキングの高い他の自治体とは、異なる歳出規模になっています。