16/06/24 17:40:24.19 CAP_USER9.net
警備最大手のセコムが24日、定時株主総会を東京都内で開いた。好業績が続きながら5月に社長と会長を解職した人事について、常務から昇格した中山泰男社長は改めて正当性を主張した。10人の取締役選任案など2議案は承認され、新経営体制が発足した。解職に賛成した創業者の飯田亮・取締役最高顧問は体調不良を理由に欠席した。
セコムの株主総会に向かう株主ら(24日午前、東京都千代田区)
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セコムの株主総会に向かう株主ら(24日午前、東京都千代田区)
午前10時に始まった総会では議長の中山社長が冒頭、「飯田氏は体調不良のため大事を取って欠席する」と説明した。質疑応答では今回のトップ交代の不透明さなどを批判する株主も目立った。
セコムの5月11日の取締役会で、前田修司会長(当時)のもとで社内の風通しが悪化したとして同氏の解職動議が出され、11人中6人が挙手で賛成し可決。前田氏に付き従う意向を示した伊藤博社長(同)も解職した。両氏は取締役を辞任。現在はともに名誉職の特別顧問だ。
中山社長は株主に対し「損なわれた自由闊達な風土を取り戻さないと成長はないと考え、企業価値向上のため人心を一新した」と従来の主張を繰り返した。
セコムは解職に先立ち、3月に設置した任意組織の指名・報酬委員会(社内3人、社外2人の計5人の取締役で構成)で前田氏が退任する人事案を検討した。だが委員間の意見が一致せず結論が出なかった。委員には飯田氏もいるが、セコムは委員名や議論の詳細を公表していない。ある男性株主は「役員の選任過程の透明性などで改善の余地があり、問題がなかったとは言えない」と指摘した。
解職には飯田氏も賛成した。飯田氏は83歳で、引き続き取締役最高顧問を務める。質疑応答では別の男性株主が「実績や経歴からして(最終的には)飯田氏の意見が全てになってしまうのではないか。ぼちぼちご卒業され、若い人に名実ともにやらせる時期ではないか」と指摘した。ほかの株主1人も「飯田氏は名誉取締役(のような役職に)退いたほうがいいのではないか」と質問した。
中山社長は「飯田氏からは経営への大所高所からの指導・助言をいただいている。引き続き取締役としていてもらうのが最善」と応じた。
飯田氏の名前が、租税回避の実態を暴いた「パナマ文書」に登場したことに道義的な問題がないのかとただした株主もいた。中山社長は「税務当局に必要な情報を開示し、法律専門家からも問題ないと聞いている。個人の財産管理の問題で、手続きを踏んでいるならいいと思う」と述べた。
総会は約2時間で終了した。新たな取締役には飯田氏の娘の夫の尾関一郎氏(セコム損害保険会長)も含まれる。社外取締役は2人から3人に増えた。会長は空席となる。(大林広樹)
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