16/06/18 00:23:15.17 CAP_USER9.net
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大阪への早期延伸を求めてきた京都府や京都市は歓迎する一方、かねて要望してきた中間駅の誘致は、思うような成果を出せないままだ。「奈良市付近」経由が決まっている現計画のルート変更は見通せず、関係者は焦りを募らせている。
「京都は奈良市に接しているのに、ルート問題でヒアリングにも呼んでもらえない」
今月9日、定例記者会見でリニアの大阪延伸ルートについて問われた山田知事は、国に苦言を呈した。「京都を通る方が経済効果が大きい。40年前に決まった公共事業が、何の協議もされないのはおかしい」と、計画再検討の必要性も強調した。
山田知事は会見前日の8日、来年度の国の政策や予算に対する要望活動のため上京。石井国土交通相との面談では、東京―大阪間の同時開業に加え、府内を通るルート案の採用を求めた。
リニアの名古屋―大阪間ルートを巡っては、1973年に国の基本計画で主な経由地に「奈良市付近」が盛り込まれ、2011年5月に整備計画に格上げされた。
リニア誘致を目指す府と京都市は、経済界などと1990年に「府中央リニアエクスプレス推進協議会」を設立。2014年には、現行の奈良ルートより京都駅を通る方が経済効果は倍増するとの試算を公表し、イベント開催などで誘致への機運を盛り上げてきた。
ただ、現時点で国やJR東海は京都経由を検証する考えを示していない。8日の石井国交相との面談で、山田知事は「京都にも意見を聞いていただきたい」と投げかけたが、「特に返事がなかった」(山田知事)という。
さらに、奈良県の荒井正吾知事は4月、県内の自治体などでつくるリニアの誘致協議会で、「誘致を狙う京都市や京都府と仲良くしたらだめだ」と述べ、京都側の動きをけん制した。
もっとも、既に整備計画に明記されたルート案を見直すこと自体、「高いハードルがある」(府幹部)のが実情。大阪延伸の前倒しで、市の担当者は「これまで以上に誘致活動に力を入れなければ」と危機感をにじませる。
今後の取り組みについて、山田知事は「関西国際空港や北陸新幹線との接続なども含め、リニアの戦略を関西全体で考えるべき」とし、関西広域連合での協議を呼び掛けていく考え。京都市の門川大作市長は5月26日の記者会見で、「東海道新幹線も当初は京都駅を通らない計画だった。引き続きオール京都で要望していく」と述べた。(升田祥太朗)
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