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(上)野生種の植物の種を植える那須浩郎助教(右)と山田昌久教授(下)実験で植えたツルマメ(右)とヤブツルアズキ=いずれも能登町真脇で
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縄文時代の国指定史跡「真脇遺跡」(能登町真脇)がある同町真脇遺跡公園で六日、野生種の豆を中心とした植物を植え、狩猟と採取が生活の中心だったとされる縄文期に植物の栽培が行われた可能性を調べる取り組みが始まった。専門家たちは「縄文期に近い自然環境を生かし、縄文人と植物の関わりに迫りたい」と意気込む。(志村拓)
植物考古学を研究する総合研究大学院大(神奈川県葉山町)の那須浩郎助教(40)が企画した。那須助教によると、全国の縄文時代の遺跡では近年、大豆の野生種「ツルマメ」など食用植物の種が、土器に付着していた痕跡などの出土例が増加。通常よりも大きい種子が見つかったケースもあり、育ち具合から品種改良の可能性も探るという。
初日は、那須助教と実験場所として真脇遺跡を紹介した首都大東京の山田昌久教授(62)が、公園を訪問。ツルマメやヤブツルアズキの種を、肥料を入れて土を耕した遺跡横にある農地から荒れ地まで、さまざまな条件で植えた。実験は縄文期の登呂遺跡(静岡市)や板付遺跡(福岡市)近くなど全国四カ所で実施する。
那須助教は「真脇遺跡は、縄文時代を調べる上で日本海側の大切な場所。実験が日本の農耕の起源を考える材料の一端になってほしい」と期待。縄文人の生活を研究している山田教授は「集落での人ぷんの処理や遺体の埋葬といった人々の営みが、土地を豊かにして植物栽培につながった可能性もある」と話した。
町真脇遺跡縄文館によると、真脇遺跡でも植物の種とみられる跡の付いた土器が出土しており、七日に那須助教らが検証する。
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