16/05/24 21:46:18.06 CAP_USER*.net
代表的な租税回避地(タックスヘイブン)であるケイマン諸島に対する日本国内からの証券投資残高が2015年末時点で74兆円に達し、1年間で約11兆円(18%)増えたことが分かった。資産運用収益に課税されないケイマン諸島には多数の投資ファンドが設立されており、日欧の金融緩和で運用利回りが低下する中、収益改善のためタックスヘイブンに資金をシフトさせた可能性がある。
財務省が24日発表した対外証券投資残高によると、国内から海外に投資された株式や債券などの残高は15年末に423兆円と、前年比3.2%増えた。米国向けが165兆円と11%増加、欧州連合(EU)向けが118兆円と7.4%減少したのに対し、ケイマン諸島の伸び率が際立つ。ケイマン諸島が全体に占める割合は17.6%に達し、00年以降で最も高くなった。
ケイマン諸島は資産運用収益に課税されないほか、投資ファンドを簡単に設立できる。このため、世界中の資産運用会社などが1万以上のファンドを設立。みずほ証券の金子良介シニアクレジットアナリストは「日銀や欧州中央銀行(ECB)のマイナス金利導入で運用利回りが低下する中、米国やケイマン諸島への投資が増えたのではないか」と指摘する。
例えば日本の金融機関がケイマン諸島に投資ファンドを設置した場合、課税されない分、運用成績が高まり、国内外から幅広く資金を集められる。ただ、日本の企業や投資家がケイマン籍のファンドから分配金を受け取る際には、日本の税務当局から課税される。「パナマ文書」を契機にタックスヘイブンを悪用した課税逃れが国際的な問題となっているが、日本はケイマン諸島と法人登記や資金運用などの情報を交換する協定を結んでおり、ペーパーカンパニーを利用した資産隠しなどは困難になっている。【中井正裕】
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