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ドイツ、難民雇用の「1ユーロジョブ」制度…時給は130円
2016年05月19日 14:22 発信地:ベルリン/ドイツ
【5月19日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)で、イラク難民のザイドさん(23)はスプーンとしゃもじを手に、
グヤーシュ(ハンガリー風シチュー)とジャガイモがいっぱい入った大鍋のふたを持ち上げた。仕事のシフトの始まりだ。
午後6時半から8時まで、ザイドさんはベルリン市に雇用され、スポーツセンターのホールに集まるシリアやイラク、
アフガニスタン、モルドバ出身の難民152人に夕食の配膳を行っている。このスポーツセンターは、新たにドイツに
到着する人々向けの緊急宿泊施設に様変わりした。
ザイドさんはこのビーフシチューに何が入っているのか、いぶかしむような目で集まった人々に対して説明を試みていた。
ザイドさんは「非常にドイツ的」なシチューだと言う。
自転車の修理や植木の剪定(せんてい)、歩道の清掃といった業務をわずか1ユーロ(約120円)余りの時給で請け負っている
ザイドさんのような難民は数千人に上る。このいわゆる「1ユーロジョブ」制度は、ドイツの労働市場に新たに加わろうとする
人々の足掛かりとなるとうたわれているが、識者らは以前からその有効性を疑問視している。
食卓を整え、パンを切り、料理を皿に盛り、そして片付ける。ザイドさんの時給は1.05ユーロ(約130円)だ。就労が
許されているのは週20時間までと制限されており、月給は頑張っても84ユーロ(約1万300円)にしかならない。難民申請の
審査結果が出るのを待つ間、当座の生活費として支給される143ユーロ(約1万7600円)のわずかな足しになる程度だ。
イラクの首都バグダッド(Baghdad)から南へおよそ100キロに位置するヒッラ(Hilla)から、父親と妹と共に半年前に
逃れてきたというザイドさん。月収はドイツ人の平均賃金に比べればごく少額だが「ドイツ人の配膳ボランティアと
触れ合えるので、ドイツ語を話す機会にもなる」と、喜んで取り組んでいる。
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独ベルリンの緊急宿泊施設で配膳の仕事をする難民の男性。DPA提供(2016年3月29日撮影)。(c)DPA/BRITTA PEDERSEN
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