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汚職対策サミット タックスヘイブン 登記情報閲覧で協力
5月13日 6時50分
URLﾘﾝｸ(www3.nhk.or.jp)
課税逃れや汚職への対策を話し合う「汚職対策サミット」が１２日、初めてイギリスで開かれ、いわゆるタックス
ヘイブンの透明性を高めようと、税務当局などが企業の登記情報を閲覧できるよう各国が協力していくことに
なりました。
イギリス、ロンドンで初めて開かれた「汚職対策サミット」は途上国などでの汚職が経済発展を妨げているとして、
世界的に対策を強化しようと４３か国の代表らが出席しました。
いわゆるパナマ文書をきっかけに、不正に蓄財した富裕層が、租税回避地、タックスヘイブンで課税を逃れている
という疑惑が指摘されており、会議を主催したキャメロン首相は「税金を払わない人や応分の負担をしない企業の
問題に対処するためにも、汚職対策は欠かせない」と強調しました。
討議の結果、タックスヘイブンの透明性を高めるため、登記された企業の実質的な所有者の情報を、税務当局
などが閲覧できるようにすることや、国外に持ち出された不正な資金を元の国に戻すための取り組みなどで
各国が協力していくことなどを確認しました。
タックスヘイブンへの投資で利益を得ていたことが明らかになったキャメロン首相も、登記情報の一般への公開に
踏み切る考えを示しましたが、タックスヘイブンの一つイギリス領バージン諸島が当局による情報の閲覧の合意を
見送るなど、課題も残りました。
会議には柴山総理大臣補佐官も出席し、今月の伊勢志摩サミットでも、汚職対策の行動計画をまとめる方針だと
説明しました。
市民団体が課税逃れを訴える対策
イギリスは海外領や王室領の多くがタックスヘイブンになっていて、金融街のシティは、タックスヘイブンを通じた
資金の運用を手助けする有力な拠点になっていると指摘されています。
汚職対策サミットの開催に合わせロンドンのトラファルガー広場では、市民団体が温暖なリゾート地に多い、
タックスヘイブンをイメージした展示を行って、対策強化を訴えました。また、参加者は、黒い背広にネクタイ姿の
金融マンにふんし、紙幣に似せた紙を宙にまくパフォーマンスを行いました。
主催した市民団体の広報担当者、バリー・ジョンストンさんは、「ロンドンは、税金にまつわる隠し事が行われる
世界の中心で、対応が必要だ。キャメロン首相が対応を打ち出せるとしたら、汚職対策サミットがロンドンで
開かれるきょうしかない」と話していました。