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『週刊ダイヤモンド』5月21日号の第1特集は「背徳のシャープ 液晶敗戦の全顛末」。
経営危機に陥っていたシャープは、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)の傘下に入ることになりました。
なぜ、創業100年を超える名門企業は転落したのか。
ホンハイは本当にシャープを再生することができるのか。
社内から聞こえてくる声を聞く限り、シャープの危機はまだ終わっていません。
シャープ支配を着々進めるホンハイ「進駐軍」
三重県亀山市。シャープの液晶事業の“聖地”に、鴻海精密工業(ホンハイ)の郭台銘会長が突如として現れたのは、
大型連休を控えた4月27日の夜だった。
亀山工場にあるテレビの組み立て工場1階の集会場に、
液晶部隊をはじめ工場の管理職200人以上が疲れた表情で集まると、
程なくして、軽く手を挙げながら登場した郭会長が口を開いた。
「SDP(堺ディスプレイプロダクト)に出資して、4年がたとうとしている。
3年連続で営業黒字になったことはとても喜ばしく、勤勉なSDPの社員を私は誇りに思う」
通訳を介しながらそう切り出すと、「翻って、今のシャープはどうか。ろくに設備投資もできず、銀行の管理下で自由な経営
ができなくなっているではないか」と急に発言のボルテージが上がり、そこから2時間は、郭会長の“独演会”と化した。
「何度も言うが、これは出資ではなく投資なんだ」「あなたたちは、赤字に対する危機感が薄いのではないか」など、社
員たちを叱咤する言葉が続く中、話はなぜか日本電産にも及ぶ。
「人材が日本電産に流れるような状態が続いている。あの会社は人を引き抜いて、
シャープをつぶそうとでもしているのか!」と批判を始めたのだ。
折しもその2日前、日本電産はシャープの大西徹夫元副社長が顧問に就くという人事を発表している。
シャープの元社長で、現在日本電産の副会長を務める片山幹雄氏が、
優秀な人材を集めようと強力に裏で糸を引いていることが気に食わなかったわけだ。
ただ、この郭会長の発言を、人材の流出を何としても食い止めようという思いから出たものとは、誰も受け止めなかった。
それもそのはずだ。4月2日の買収契約調印以降、郭会長をはじめホンハイチームは、大阪市の本社にたびたび乗り込んでは、
「追加で2000人の人員削減が必要だ」と、強く経営陣に迫っていたからである。
「従業員の雇用維持」という文言が契約書にある以上、出資前に、
あくまで現経営陣が自ら判断し、実行したことにしろと言っているに等しかった。
郭会長の要求はそれだけではない。
「夏までに、本社を堺工場に移転したらどうか」「液晶関連の契約は今後、(ホンハイ傘下の)群創光電(イノラックス)を通してほしい」など、無理難題を次々と押し付けている。
つづく