16/04/30 22:52:37.63 CAP_USER*.net
堆肥の切り返しなどに使う「ホイールローダー」の盗難被害が相次いでいる。
狙われやすいのが古い機種で、盗難対策の衛星利用測位システム（ＧＰＳ）が付いて
いないため、犯行グループの標的となりやすい。全国的な被害状況は分かっていない
が、静岡県を中心に多発しており、県警は「農家が狙われているのは明らか。人の
移動が激しい大型連休は、特に警戒が必要だ」（生活安全部）と対策を呼び掛ける。
静岡県警によると１月から４月下旬までに畜産農家の資材置き場での盗難数は
１９台（速報値）。２０１５年の１４台を４カ月で上回った。
県中部で乳牛２５頭を飼養する酪農家の男性（６４）は１月、２５年使っていた
ホイールローダーを１台盗まれ、３月には新たに買った中古の１台も盗まれた。
「２台目の補充を待っていたかのような犯行。本当に悔しく離農も考えた」と嘆く。
最初は堆肥舎に置いたまま帰宅し、被害に遭った。２回目はシャッターが閉まる
牛舎に格納し、シャッター内側にセンサーでライトとブザーが作動する機器を設置。
ホイールローダーのエンジンが作動するとアラームが鳴る装置まで付けた。「完璧
だと考えていたが、シャッターとは別の壁板から侵入され、センサーにつながる
コードが切られた。今もトラックが通るたび、下見をされているようで不安になる」
とおびえる日々だ。
３月上旬に盗難に遭った搾乳牛１４０頭を飼養する県西部の牧場では、犯行の一部
始終が防犯カメラに残っていた。１４年１１月にも盗難に遭い、酪農家の男性（４２）
は「仲間と情報共有をしてきたが、防げなかった。農家だけの対策は限界がある」と
憤る。
・ＧＰＳない機種に狙い
１４年には岐阜県で約６０台の被害があり、１０人のベトナム人などのグループが
逮捕された。犯人は「自国の業者から、ＧＰＳの設置が少ないホイールローダーを
狙うよう指示があった」と供述。盗難車は海外の舗装されていない道で貨物の運搬用に
使うという。
愛知県でも１５年８月に園芸農家で被害が発生。群馬県も今年１月末、肉牛農家が
被害に遭った。
日本農業機械化協会は１３年から、農機メーカーなどからの盗難報告を受けて情報を
共有し、盗難を防ぐシステムを運用するが「ホイールローダーは農機の販売店だけで
なく、建設機械の販売店から購入するルートもあり、被害の全容を把握するのは難しい」と
指摘、対策に手を焼いている。（立石寧彦）
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