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首相発言きっかけ…円急伸 政権幹部、火消しに躍起
2016年4月9日 朝刊
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
外国為替市場で円高傾向が続いている。七日にニューヨーク市場で一時一ドル=一〇七円台と、
一年五カ月ぶりの高値水準まで進行。米紙での安倍晋三首相の発言がきっかけとなった。
八日になって政権幹部が相次ぎ、為替介入を示唆する「口先介入」で市場をけん制し、
東京市場で円高は一服したが、市場では「為替介入は困難」との見方が根強い。当面は
円高傾向が続くとみられている。
円相場は年明け以降の世界経済の減速で、米国の利上げペースが遅れることなどを背景に、
円高傾向にあった。そこに拍車をかけたのが、米紙ウォールストリート・ジャーナルが五日に
掲載した安倍首相のインタビューだった。
「通貨安競争は絶対避けなければならない」「恣意(しい)的な為替市場への介入は慎まなけ
ればならない」との発言が、市場に「日本は為替介入に消極的」と受け止められ、円高が加速した。
円の急伸を受け、政権幹部は八日午前、火消しに走った。菅義偉官房長官は「為替市場の
過度の変動や無秩序な動きは悪影響を与える。動向を緊張感を持って注視する」と強調。
麻生太郎財務相も「為替相場が一方向に偏った動きがみられる。場合によっては必要な措置を
とる」と述べ、円