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2015年度サイエンスメンター制度研究発表会(日本科学協会主催)が29日、東京・赤坂であった。昨年、カクレクマノミの研究で国際学生科学技術フェア動物科学部門4等に入賞した愛媛県長浜高校水族館部2年の重松夏帆さん(17)と山本美歩さん(17)が、クラゲに刺されるのを防ぐクリームの試作に成功したのに加え、下等生物のクラゲに同じ刺激を与えることで慣れて反応しにくくなる「学習」のような行動を確認したと報告した。
2人はカクレクマノミがハタゴイソギンチャクに刺されない理由を調べ、魚の体表を覆う粘液中のマグネシウムが毒針発射を防いでいることを解明した。今回の研究は同じ刺胞動物のクラゲへの応用で、触手をマグネシウム濃度が異なる溶液に浸すと、イソギンチャク同様に濃度が高いと毒針が出ないことが分かった。
山本さんはマグネシウムを混ぜた日焼け止めやハンドクリームを海水で作った寒天に塗って触手の上に置き、反応を観察。毒針発射を防ぐ効果があると確認した。「刺されたかどうか寒天で確かめる方法の確立に苦労したが、マグネシウムがクラゲにも有効と分かりうれしかった」と話す。
人の記憶や学習に重要な役割を担うグルタミン酸受容体の一種がクラゲにもあることを確認した重松さんは「クラゲも受容体を使って学習しているのでは」と考察。同じ刺激を繰り返し与える実験をすると、収縮回数が低下した。学習の一種である「慣れ」のような行動ではないかとし、「スケールの大きな研究で楽しかった」と振り返った。
・【写真】クラゲに刺されるのを防ぐクリームの開発とクラゲの学習について発表する長浜高水族館部の山本美歩さん(右)と重松夏帆さん(左)=29日午前、東京・赤坂
URLリンク(www.ehime-np.co.jp)
愛媛新聞 2016年03月30日(水)
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