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甘利氏が以前、テレビ東京と同局の報道記者3名を相手取り、名誉毀損で裁判を起こしていた事実はあまり知られていない。これは、11年6月18日に放送されたテレ東の報道番組『田勢康弘の週刊ニュース新書』(以下、『週刊ニュース新書』)に対してで、
甘利氏のいう名誉毀損とは、「取材拒否したことの象徴として空席になった自分の椅子を映した」ことなのだ。
(中略)
12年8月28日に東京地裁で行われた証人尋問で、甘利氏のとんでもない暴言が暴露された。
テレビ局とともに訴えられたA記者は、取材中に甘利氏から「甘利氏はしまいには日本なんてどうなってもいい、俺の知ったこっちゃない!と言い出しました!」と言われたことを訴えた。その瞬間、傍聴席は失笑と舌打ちに包まれた。
政治家が堂々と報道機関を訴えたこの裁判の発端はなんなのか―。
原発事故の記憶も生々しい11年の6月、『週刊ニュース新書』で原発事故問題を取り上げる企画が持ち上がった。
「東日本大震災による原発事故後、政治家が事故が起きるまでにどのような安全対策を行ってきたのか?」という「原発と政治家」
を検証するのが目的だ。そこでA記者は、自民党の有力な原発推進派で第一次安倍内閣の経済産業大臣を二期務めた甘利明氏に対して取材を試みた。
A記者は吉井氏が作成した「質問主意書」を示して「今後の原発政策のあるべき姿」を質問�