16/03/09 22:06:22.00 CAP_USER*.net
タワーレコードのキャッチフレーズ「NO MUSIC,NO LIFE.」は 至言だと思うが、過失致死を犯してまで聴くべき音楽なんてない―。
2月23日の千葉地裁において、イヤホン操行の男子大学生(20)に下された判決は、禁錮2年6か月・執行猶予3年だった。
2015年6月10日の19時頃、千葉・稲毛市内の県道をイヤホンで音楽を聴きながら自転車操行していた大学生が横断歩道中の高齢女性(77)にぶつかって死亡させた。時速は約25キロ、赤信号を見落とした上での衝突だった。
その悲劇が折しも改正道路交通法施行(2015年6月1日)から10日目の、皮肉な顛末だったのを思い出された方は意外と少ないだろう。ましてや自転車乗用時の「危険行為」とされる14の事項を全部答えられる人となれば、もっと稀だろう。
赤信号、みんなで無視すれば捕まらない!?
①信号無視、②指定場所一時不停止、③歩道通行時の通行方法違反、④通行禁止違反、⑤歩行者用道路における車両の義務(徐行)違反、⑥路側帯通行時の歩行者の通行妨害、いずれも一向に絶える気配のない「ヒヤッ!!」とさせる日常光景だ。
そして、改正法が施行後、通勤・通学時間の「⑦遮断機が下りた踏切への立ち入り」や、鼻歌交じりの「⑧酒酔い」はみるみる減少したのだろうか? 現時点で、こうした実態を伝える公式な統計はまだ存在しない。
義務化された安全講習(手数料1回5700円、カリキュラム約3時間、受けないと罰金5万円以下)の受講命令対象者が「(危険行為で)3年以内に2回以上検挙された場合」とあるから、事例がまだ僅少なのかもしれない。
施行翌月の2015年7月、件の受講命令第一号は大阪在住の「制動装置不備(ブレーキが後輪のみ)」の男性か(?)との一部報道があった。いわば悪質行為の象徴的やり玉にあげられた「⑨制動装置(ブレーキ)不良自転車運転」はさすがに激減したようにも思えるが、定かな統計はない。
⑩交差点での安全進行義務の違反など、⑪交差点での優先妨害など、⑫環状交差点での安全進行義務違反など、これら交差点周りのマナー違反は0増0減とさえ思えてならない。
そして、⑬通行区分違反、⑭安全義務違反、以上が自転車乗用時の「危険行為」14項目だ。
●交通安全期間以外の取り締まりが緩いのでは!?
しかし、正直、理想論としか映らない現実が依然として続き、警視庁の統計『都内自転車の交通事故発生状況』(平成26年中)からは次のような傾向が読み取れる。
●交通事故全体に占める「自転車関与事故」の割合が高い。しかも全国平均が全体の20%前後で推移しているのに対し、都内では36%前後の推移である。
●交通事故死者・負傷者に占める「自転車乗用中死傷者」の割合が高い。これも全国比で都内が高く、「自転車対歩行者」の交通事故のうち約31%(26年)が都内で発生している。
●都内の「交通事故当事者」を年齢別で見ると20歳代~40歳代の割合が高く、この該当層だけで全体の約53%を占めていた。
もっとも同じく警視庁の資料『自転車の交通人身事故発生状況』(平成27年中)によれば、自転車乗用中の交通事故自体は「平成18年以降減少傾向」なのも事実。しかし、死者数33人は都内の交通事故による全体数161人の20.5%を占めており侮れない怖さを明かしている。
音楽は我慢できても雨具操行は止められない!?
一方、2月18日に国民生活センターが注意を呼びかけたのが「雨具を着て」の自転車事故。自転車用市販雨具の利用者調査から「チェーンに絡まり転倒した」「フードが顔を覆い、前方が見えず側溝に落ちた」などの声が寄せられ、実証実験した結果の注意喚起だ。
実験ではカゴや泥除けのないスポーツ自転車の場合、ポンチョ型の雨具の裾が後輪に接触して巻き込まれる現象が起きた。加えて強風に吹かれるとフード部分が顔を覆ってしまい、視界が遮られる危険性も確認された。
また、ズボン型の雨具では裾の締め付けヒモが垂れ下がってチェーンに巻き込まれた。意外な盲点としては雨具の収納袋をカゴに入れて操行した場合、袋の口を締める役割のヒモが前輪に絡まる危険性も確認された。
施行後はスマホ操行同様、傘さしチャリもNGなのだが、ママさん違反者が絶えないのが現実だ。やむを得ず雨天乗用する際は「雨具を」と取り締まる側は奨めるが、その雨具で転倒しては元も子もない。貧困ジャパン下では14項目の厳守など無茶ぶりに過ぎないのか?
(文=編集部)
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