16/02/19 09:08:22.05 CAP_USER*.net
日本人の雇用の7割以上を支えてきた中小企業。今、全国で黒字経営にもかかわらず、会社を畳む廃業が
相次いでいます。長く後継者不足が指摘されてきた中小企業。その対策として、M&Aや投資ファンド
などによる存続が図られてきました。しかし去年(2015年)、休業や廃業をした会社は2万7,000件。
13年前から増加し始め、この8年間は高止まりしたままです。
廃業した経営者
「“相談”する人がいないということは、一番の孤独ですよね。」
なぜ黒字企業にもかかわらず、後継ぎが見つからないのか。
取材を進めると、経営者が本来の会社の価値を把握できていないことが一因であることが分かってきました。
国の支援センター代表
「そもそも(中小企業の)経営は苦しい、魅力がない、誰も継がないと思い込んでしまう。」
日本経済を下支えし、地域の活力ともなっている中小企業。どうしたら次の世代にその強みを
引き継ぐことができるのか。解決の糸口を探ります。
■世界が愛した名品 メーカー廃業で消滅!?
スタンフォード大学教授 ブライアン・コンラッドさん
「ドメインから外れた場合、どんな時でも0以下の整数になり…。」
理系の世界最高峰、スタンフォード大学の数学者たちが愛してやまない日本製品があります。
それは、このチョーク。
1本30円以上しますが、このチョークでなければ研究や授業が進まないと言います。
スタンフォード大学教授 ブライアン・コンラッドさん
「しなやかで折れにくい。書き心地が悪いと思考が妨げられるんだ。まさに最高のチョークだよ。」
この大学で5年以上愛用されてきた日本製のチョーク。しかし今は、これまでのように入手できなくなりました。
製造していた日本の会社が1年前に廃業したからです。
「数学界にとって悲劇だ。」
スタンフォード大学教授 ブライアン・コンラッドさん
「他のチョークよりとても質が良くて、なくなるのが残念だ。」
■世界に誇る技術 優良企業がなぜ廃業
世界最先端の研究を支えてきたチョークは、名古屋市にある社員12人の会社で作られていました。
渡部隆康さん
「ここが、うちの工場だった。ここら辺一角が。」
経営者だった渡部隆康さん、72歳です。
3年前、病気で体調を崩したことをきっかけに、父親の代から82年続けてきた会社を畳みました。
世界が認めるオンリーワンのチョークは、渡部さんが40年以上、改良を重ねた結果、生まれたものでした。
渡部隆康さん
「(これは)食品の機械。小麦粉を練るとかパン屋さんが使う機械。」
折れにくく、しかも滑らかなチョークを作るために、材料を均一に混ぜる機械を改良しどこにも
まねのできないチョークの生地を仕上げました。そうした改良を100回以上重ねた結果、
最盛期には年間9,000万本を受注。国内シェアの3分の1を占めるまでに成長しました。
渡部さんは、自分が病気になるまで後継ぎの問題を真剣に考えたことがありませんでした。(>>2につづく)
URLリンク(www.nhk.or.jp)