15/12/10 14:19:39.93 CAP_USER*.net
「公平であるべき国家試験の根幹を傷つけてしまった。大変申し訳なく、悔いている」
「娘のような気持ちになって視野が狭まり、当時は犯罪だと思い至れなかった」
司法試験問題を教え子で交際相手の20代の女性受験者に漏洩したとして、国家公務員法(守秘義務)違反罪に
問われた青柳幸一被告(67)は10日に東京地裁で開かれた初公判で起訴内容を認め、そう謝罪した。
青柳被告はさらに、「憲法上の平等原則などを研究テーマとしており、フェアをモットーとして生きてきたが、
フェアではないことをしてしまった。司法試験に関わる全ての人や、これまでの教え子らに顔向けできない」
とも陳述した。
ただ、検察官や裁判官からは「なぜ法学研究者でありながら、そんな愚かなことをしたのか」
「どれほど悪質な犯行か分かっているのか」と厳しく追及され、消え入りそうな声になる場面も。
「これまでの職や社会的立場、今後の研究者生命を全て失った」という青柳被告。
不正の代償はあまりにも大きかった。
青柳被告は眼鏡をかけ、濃紺のスーツ姿で入廷した。髪には白髪が目立った。
検察側の冒頭陳述などによると、青柳被告は妻子がありながら、平成25年から法科大学院の講義を
受講していた女性と交際。交際は女性が大学院を修了した26年3月以降も続いた。
この年の5月、女性は司法試験を初めて受験したが不合格。青柳被告は泣いている女性を見て、
「なんとかサポートしてやりたい」と思うようになった。27年2月から5月の司法試験直前まで、
自身が作成に携わった短答式試験と論文式試験の問題を教え、添削するなどした。
女性は著しい高得点を獲得したが、採点した別の考査委員が不審に思い、法務省に通報。
その際、青柳被告はこの考査委員に「信頼している考査委員から漏れたとは思えない。
良くできた答案もあるんじゃないか」と事態の収拾を図っていたという。
その後の法務省の調査に青柳被告、女性とも漏洩を認め、東京地検特捜部が青柳被告を在宅起訴していた。
◇
この日の被告人質問で、検察側は青柳被告を厳しく追及。「平等を旨とする憲法研究者でありながら、
なぜ不平等な漏洩をしたのか」と動機を尋ねられた青柳被告は「女性は元気で明るくて、
『こんな子が娘だったら』と思うようになった。昨年の試験で不合格になり泣いている姿を見て、
何とかしてやりたいと思った」と話した。
「今回はたまたま発覚したから良かったものの、不正をした受験者が司法試験に受かってしまい、
裁判官や検察官、弁護士になったら、どれほど大きい影響があるのか本当に理解しているのか」との質問には、
消え入りそうな声になり「おっしゃる通り、法の支配の原則が壊れてしまうと思います…」と答えた。
さらに「全てを失ったというが、犯行当時には発覚時のそうしたリスクを考えなかったのか」と尋ねられ、
「繰り返しになるが、娘のような気持ちになっており、真っすぐになってしまっていた。
リスクは考えられなかった」と弱々しく話した。
◇
検察官に続いて裁判官も「娘のような気持ちだったと主張するが、娘として交際していたわけではないでしょう。
交際していなければ教えなかったのではないか」と質問。これに対し青柳被告は「交際相手というよりも、
娘のような気持ちだった。泣かれた際に、まるで自分の娘が泣いているように思った」と弁明した。
裁判官も少し怒気を含んだ口調で「なぜ法律家なのに、犯罪性を意識しなかったのか」「何度も添削などを
しているが、なぜそこまで丁寧に教えたのか」と質問。青柳被告は「娘のような気持ちで、真っすぐに
なっていた。確実に合格させたいと思った」と同じ答えを繰り返した。
裁判官は、こうした青柳被告の答えが腑に落ちない様子で、何度も首をひねる素振りを見せた。
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