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2015.11.12 11:45
ポストシーズンになってプロ野球選手の周辺がきな臭くなっている。もともとアスリートにギャンブル好きは多い。
勝負の興奮や相手との駆け引きは、ギャンブルの“切った張った”のスリリングな状況に通じ、中でもプロスポーツは「成功が収入=カネ」に直結することも共通する。
本業そっちのけで一線を踏み越えれば、自ら首を絞めることになる。平成版「黒い霧」というべき事態に気をもむ野球関係者は多いが、賭博という犯罪行為にばかり目を向けるのではなく、
ギャンブル依存という病に対して認識を深めるべきだろう。
※「娯楽」の域を超えて
アスリートの酒やタバコ、ギャンブルなどの依存症(アディクション)を克服する英国のある施設で、受診者の約7割がギャンブルの虜(とりこ)になっていたという深刻な報告がある。
スポーツ選手の依存症といえば、かつてはアルコールが多かったが、今はギャンブル依存が度合いを強めている。
桁違いの掛け金で莫大な資産を失うこともある。ロンドン南部のスポーツクリニックには、常にコンペティティブな(競争)社会にさらされるアスリートのために田舎のコテージのような環境で心の平穏を回復させる治療法があるという。
最近のプロ野球選手は地方に遠征に訪れても夜の街にあまり繰り出さないらしいが、以前、関西の地方都市のパチンコ店で選手やコーチが脇目もふらずに台に夢中になっていたのを目撃したことがある。ファンからすれば、翌日の試合に備えてリラックスしていると思いたいが、趣味が高じて深みにはまるケースもあるようだ。
競馬好きも多い。GIレースの前は選手同士で競馬談義に花が咲く。試合ごとに重圧にさらされるスポーツ選手にとって、オンとオフの切り替え、移動日やオフの時間の過ごし方はきわめて重要なのだ。
しかし、プライベートの時間管理はこれまで個人の「裁量」にゆだねられてきた。夢に見たプロの世界で莫大なお金を手にした若手選手にとって、節度ある金銭管理も大切であることは言うまでもない。
※競馬騎手のギャンブル好き
今年、43歳の若さで競馬騎手を電撃引退した「平成の風雲児」藤田伸二によると、騎手の中にもギャンブル好きは多く、中でもパチンコやパチスロの愛好率は高い。
競輪や競艇の達人や賭け事全般に強い者もいるという。ただし、あくまで趣味の領域で身の破滅を呼ぶような無茶をする者はいない(『競馬番長のぶっちゃけ話』宝島社)
しかし、自分では節度を守っているつもりでも、専門家から見れば、すでに一線を超えているというケースもある。
作家で精神科医の帚木蓬生によると、クリニックに訪れた病的ギャンブラー100人の中にいくつかの「違法行為」が判明したという。
違法行為には賭け麻雀や花札、野球賭博、バカラ賭博、ルーレットなど多彩で、100人中11人、約1割が違法ギャンブルにはまっていた。また、全体の約8割はパチンコ・スロットを通じて「ギャンブル地獄」にはまり込んでいたという。
「日本だけが、世界の基準からは全くかけ離れた鎖国状態の中で、パチンコ・スロットを遊技として扱っている」
「わが国は非合法ギャンブルの餌食にもなっている」と、著書『やめられない ギャンブル地獄からの生還』(集英社)で報告する。
※「依存症」は精神疾患の一部
野球協約の中に「野球賭博常習者との交際禁止条項」(180条)が設けられているが、帚木が指摘するように違法賭博は野球賭博に限ったことではなく、
法を犯したきっかけはパチンコをはじめとする「遊技」である点が多いことを忘れてはならない。
ギャンブル依存の精神疾患などとの因果関係の実態を考慮すれば、球界はこの問題を決して軽視せず、医学的サポートについても検討すべきであろう。