15/11/04 18:27:16.94 *.net
南極大陸で年々失われていく氷よりも、増えている氷の量の方が多いとの研究結果を、米航空
宇宙局(NASA)のチームがこのほど発表した。事実ならば、南極氷床の融解が海面上昇に
つながっているという従来の説は覆される。
NASAのチームは南極氷床の高さを人工衛星から計測したデータを調べ、その変化の様子から
結論を導き出した。
南極大陸は米国とメキシコを合わせたほどの面積。氷の増減は大陸全体で一律に起きている
わけではない。南極半島を含む西南極の一部で氷床の融解が進む一方、東部や内陸部の
一部で氷が増加傾向にあることは、かねて指摘されていた。今回の研究では、この増加分が
減少分を上回ることが明らかになったという。
氷が増加しているのは、1万年前から続く降雪の増加が原因とみられる。雪は年月を経て積み
重なり、圧縮されて氷となる。
チームによれば、こうして1992~2001年には年間1120億トンの氷が新たに加わった。
02~08年はペースが下がり、年間820億トンの増加となった。
過去10年以上にわたる研究では、南極大陸やグリーンランド、世界各地の氷河から溶け出した
氷が、海面の上昇を引き起こしているとされてきた。西南極の氷床が融解すると、地球の海面は
約3メートル上昇するといわれている。しかし新たな研究結果では、南極大陸は差し引き計算すると
全体として氷が増えているため、海面上昇の要因ではないことになる。
これは必ずしも喜ばしい結果とは言えない。グリーンランドで起きている融解などの影響が、
従来の推定より大きいことを意味している可能性もあるからだ。
また研究チームの指摘によれば、西南極での氷床融解は次第に加速している一方、氷の増加
傾向は近年緩やかになってきた。そのため今後20年のうちに、減少分が増加分を上回ることが
予想されるという。
ソース/CNN
URLリンク(www.cnn.co.jp)