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2015.10.27 05:40
政府は地方自治体が企業から受け取る税収の格差を見直すため、法人住民税の税収について２０１７年度から１４年度実施分と合わせて１兆円程度を地方交付税交付金として財政力の弱い自治体に再配分する検討に入った。
消費税率１０％への引き上げで自治体間で税収格差が広がるため、都市部に多く集まる法人税収を地方に移し、地方経済の活性化につなげたい考え。
法人住民税は都道府県や市町村が域内に事業所などを持つ企業に課す地方税で合計３兆円程度の税収がある。消費税を８％に増税した１４年度に法人住民税のうち約６０００億円を地方交付税の原資にする仕組みを導入。
１７年度の１０％への増税に合わせ、新たに４０００億円程度上積みする方向で調整する。
消費税は一部を地方消費税として地域の小売り販売額などに応じて自治体に配分しており、商業地を多く抱える都市部と地方で税収格差が生じやすい。
一方、政府は自治体が域内で事業を行う企業に課す法人事業税には０８年度から一部を「地方法人特別税」として国庫に入れ、「地方法人特別譲与税」として都道府県に再配分している。法人住民税の見直しで税収が減る都市部に配慮し、
１７年度から地方法人特別税・譲与税を縮小・廃止することも併せて検討する。
１３年度で都道府県の１人当たりの法人住民税・事業税の税収をみると、全国最多の東京が最も少ない奈良の６．３倍に上る。与党は年末にかけて格差の是正の議論をまとめる。