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ザハ氏新国立工費削減提案していた JSC採用せず
2015年9月9日9時42分 紙面から
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の見直し前の
計画で、設計を担当した女性建築家ザハ・ハディド氏の事務所と4社の設計チームが
今年1月までに、総工費の大幅削減案を日本スポーツ振興センター(JSC)に提示
していたことが8日、分かった。総工費高騰の原因とされたキールアーチの大幅な
構造変更も含まれていた。前日7日に前計画の設計担当だったザハ事務所と
日建設計が新計画の公募へ向けてチーム組成したことを受け、
東京都の舛添要一知事はこの日、「キールアーチはどうするのか。
(コスト上限の)1550億円に収められるなら、なんで前回できなかったのか」と疑問を投げ掛けた。
前計画の設計関係者が日刊スポーツの取材に、昨年末から今年初めまでに設計側は
複数のコスト削減案をJSCに提示していたことを明かした。施工業者が見積もった
総工費の最大額が約3300億円にまで膨れ上がったためだった。
昨年末にはキールアーチの構造変更を提示。単一構造から、より安価なトラス構造
(骨組構造の一種)への変更案を示した。今年に入り、開閉式屋根や座席空調の取りやめ、
地下施設の面積の大幅削減などを提案していた。これらの提案が採用されていれば、
設計チームの試算では1800億円台まで抑えられる計算だったという。結果的に
それらは採用されず、7月7日までに総工費が2651億円まで膨れ上がった。