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新国立 2年前に開閉式屋根なし簡素案も 検討せず不採用
2015年8月26日 07時03分
二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画をめぐり、
事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が二年前、開閉式屋根などを設けない千三百億円余の簡素案を
作成していたことが関係者への取材で分かった。この案はまともに検討しないまま不採用となった。
政府が今月中にもまとめる新しい整備計画は開閉式屋根を採用せず、千数百億円を上限とする方針。
当時のコスト意識の低さがあらためて問われそうだ。 (上田千秋、森本智之)
この案は、一三年八月にJSCが設計会社のJV(共同企業体)とまとめた七案の一つ。関係者の話などによると、
JSCは当時、国際デザインコンクールで最優秀賞となったザハ・ハディド氏のアイデアを全て盛り込めば
三千四百六十二億円になると、設計JVから報告を受けていた。
工費は概算で千三百億円を予定したため、JSCから報告を受けた文部科学省は削減を指示。
JSCは解体費を含め千三百五十八億~三千五百三十五億円の七案を作成し、文科省にも伝えた。
最も安い案が開閉式屋根や可動席がない「一般的なスタジアムのイメージに近いもの」(JSC関係者)だったという。
一方、最高額はハディド氏案の特徴である巨大アーチ構造などを盛り込んだもので、残る五案はアーチの長さや床面積、
資材の質などに応じて作成。JSCは結局、床面積を二割減らしながらも開閉式屋根や可動席、アーチ構造は設ける
千七百八十五億円(解体費を除く)の案を選んだ。九月に文科省へ報告し、十一月に有識者会議で説明した。
JSCが文科省に七案を報告した時期は、二〇年五輪が東京に決まる二週間余り前だった。
工事が難しいとされるアーチ構造をやめれば、工費を減らせる可能性があったが、文科省関係者は
「招致への悪影響を懸念してハディド氏のデザインが変更になるような抜本的な対応は検討すらしなかった」と説明する。
開閉式屋根などを断念しなかったのも「収益を安定させるため、コンサートなどにも使う必要があった。
屋根を諦める選択肢はなかった」。ハディド氏案をやめると「二位の案で作業をやり直したりする必要が生じ、
一九年秋のラグビー・ワールドカップ(W杯)に間に合わない。変える発想はなかった」と述べた。
JSCはその後、開閉式屋根の設置を五輪後にして二千五百二十億円で施工業者と合意したが、
安倍晋三首相が今年七月に白紙撤回を表明した。新たな計画では開閉式屋根を採用せず、
機能は原則として競技に限定する方針。完成は二〇年春までとし、一九年ラグビーW杯では使わない。
東京新聞 URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
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