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民主、安保対案で路線対立=執行部と保守系が綱引き
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安全保障関連法案の対案をめぐり、民主党内で足並みの乱れが目立ってきた。
政府案を廃案に追い込みたい執行部は、
安保政策で温度差を抱える党内事情をさらけ出す国会提出には消極的。
これに対し、「責任野党」としての姿勢をアピールしたい保守系議員が不満を募らせる構図だ。
安全保障に関するスタンスが定まらない同党の現状を改めて浮き彫りにしている。
国会提出に前向きなのは、細野豪志政調会長や長島昭久元防衛副大臣、馬淵澄夫元国土交通相ら。
3氏は20日夜、それぞれのグループの議員とともに会合を開き、
「国民の期待の受け皿になることが民主党に求められている」として、
周辺事態法と国連平和維持活動(PKO)協力法の改正案の国会提出を目指す方針で一致した。
細野氏らは二つの対案について党内調整を進め、28日の「次の内閣」で要綱案を決定したい考え。
周辺事態法改正案は政府案が撤廃した地理的制約を維持し、他国軍への弾薬提供などを認めないのが柱。
日本周辺での緊急事態の際、自衛隊が在留邦人を保護できる「退避支援措置」も定めた。
保守系議員が対案提出に前のめりなのは、
維新の党が対案を出して国会審議で注目を浴びたのに触発された面がある。
共産党との共闘を進める執行部への不満も強く、
20日の会合に参加した一人は「一段と執行部を突き上げていく」と息巻いている。
これに対し、枝野幸男幹事長は22日の記者会見で
「現在の政府案は違憲の内容を含んでいるので、それに対する対案はあり得ない」と強調。
安住淳国対委員長代理も会見で、「マスコミが批判するから出さないといけない、というものではない」と語った。
執行部が対案の提出に慎重なのは、
論点が拡散することや党内の「バラバラ感」を質疑で露呈することを懸念しているためだ。
路線対立には岡田克也代表と細野氏らが争った
1月の代表選以来の感情のもつれも影響しており、
執行部側からは「対案なんて、出しても3日で忘れられるだけだ」と冷ややかな声も漏れる。(2015/07/22-19:49)