15/07/13 13:28:33.60 *.net
維新の党が「永田町の常識」を覆す言動で政界をかき回している。与野党対決法案の採決に応じたり、安全保障法制の対案を国会提出したりする姿勢はこれまでの野党像を打ち壊すものだ。
民主党に批判的で政府・与党には「是々非々」を唱える大阪系議員の意向が反映されているが、民主党との連携を重視する非大阪系議員からは不満の声が漏れる。
「民主党の取り組みは反対のための反対。日程闘争のための日程闘争だ。55年体制の亡霊が今この委員会室に(いる)。
これから日本は社会保障や安全保障で厳しい時代を迎える。55年体制の政治を繰り返しては国民の生活と仕事を守ることは絶対できない!
こうした思いで自民、公明、維新が首相に向き合っている」
安倍晋三首相も出席した6月12日の衆院厚生労働委員会。質疑をボイコットしながら“場外”からやじを飛ばし続ける民主党議員に対し、質問に立った維新の党の足立康史氏(比例近畿)は、そうほえた。
民主党はこの日、与野党対決法案の労働者派遣法改正案の採決に反発し“妨害作戦”を展開した。維新の党も改正案に反対の立場だったが、
「安易な審議拒否は責任放棄」と考える政党だけに、足立氏の矛先は同じ野党の民主党に向かった。
民主党は採決の先延ばしを図ろうと、定例日以外の委員会の開催にも抵抗した。しかし、維新の党はこうした野党の伝統的な手法にも手を貸さなかった。
厚労委の理事を務める浦野靖人衆院議員(同)は報道陣に「国民から見れば定例日なんて関係ない。そんなのはただの国会のローカルルールだ。
国会の常識は世間の非常識」と述べ、民主党を冷たく突き放した。改正案はその後、民主党の抵抗むなしく衆院を通過した。
国会で民主、維新両党の共闘が実現しないのは野党としての価値観が根本的に異なるからだ。民主党は対案を示さないまま、政府・与党に対する批判一辺倒の従来型の姿勢を好む。
これに対し、維新の党は国民に選択肢を示す対案重視の新しい野党を模索しており、両党間には埋めがたい距離がある。
政府の安全保障法制への対案をめぐっても両党の取り組みは対照的だった。
国会での審議時間を政府批判に費やしたい民主党は後ろ向きだったが、維新の党は激しい党内議論を経て国会提出までこぎつけた。
大阪系のトップに立つ橋下徹最高顧問(大阪市長)は7月2日、ツイッターに「審議拒否して強行採決に追い込み政府与党にダメージ。そんなの意味ない。
野党は政府与党に対案をぶつけ、それを無視した与党にダメージを与える王道を歩むべき」と投稿し、古い野党モデルに執着する民主党を非難した。
大阪系には「大阪都構想」に反対した民主党への恨みがある。
「あいつら、嫌いやねん」と、嫌悪感を隠さない幹部もいる。ただ、党内では民主党出身者を中心に大阪系の言動に批判の声も上がり始めた。
6月11日の代議士会。元民主党の初鹿明博衆院議員は多くの報道陣を前に発言を求め、「維新が派遣法の成立をアシストしているようにしか見えない。賛成に加担をしたとしか思われない」と強調。太田和美氏も「初鹿氏の言う通りだ」と側面支援した。
安保法制の対案をめぐっては、鳩山由紀夫内閣で官房副長官を務めた松野頼久代表が最後まで国会提出に慎重だった。
対案を出せば政府・与党との修正協議への道を開き、採決にも応じざるを得なくなり、安保関連法案の審議に慎重な国民から糾弾される…。そんな懸念があったからだ。
ただ、こうした旧来の野党的発想は「地方から永田町を変える」を掲げてきた大阪系の心には響かない。国会の慣例に縛られない大阪系を見つめる非大阪系の姿は、素性怪しい野武士の振る舞いに戸惑う都の公家のようにも見える。
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