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毎日新聞 6月26日(金)22時13分配信
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【北京・石原聖、バンコク岩佐淳士】中国とベトナムが領有権を争う南シナ海北西部の海域で、中国が石油掘削作業を始めることが２６日、
分かった。昨年のベトナムとの衝突時と同様、中国海洋石油（ＣＮＯＯＣ）の掘削装置（オイルリグ）「海洋石油９８１」が使われる。
中国海事局は、６月２５日から８月２０日までオイルリグから半径２キロ内への立ち入りを禁止する航行警報を出している。
両国間の対立が再燃する恐れが出てきた。
海事局によると、作業現場は中国の海南島の南約１４０キロの海域。中国が昨年、石油掘削作業を行った場所より９０キロほど北のエリアだ。
両国が領有権を争う西沙（英語名パラセル）諸島からも遠ざかり、昨年ほどベトナム側を刺激しないのではないかとの見方もある。
ただ、現場は中国とベトナム双方の排他的経済水域（ＥＥＺ）に重なる位置にあり、ベトナム国営紙トイチェ（電子版）は２６日、
ベトナム海軍が「オイルリグの動きを厳しく監視している」と伝えた。中国には、掘削作業を定期化することで既成事実を積み上げる狙いがありそうだ。
昨年の掘削作業の際は、中国がオイルリグを守るために公船を多数派遣し、ベトナム側の公船と衝突する事態に発展した。
中国は作業日程を切り上げてオイルリグを撤収。今年４月にはベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長が訪中し、
習近平国家主席と会談するなど関係修復に動き出していた。