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2015/6/25 8:30「週刊新潮」 政治
日焼けした顔に胸をはだけたシャツ、辺り構わず漂う香水の匂い。まさに見た目はホストの松野頼久・維新の党代表(54)が、安倍政権の推し進める安保法案のキーマンとして存在感を増している。
しかし、実は、12億円もの借金を抱える、赤絨毯の借金王なのだという。
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棚ぼた式に、思わぬ地位が転がり込んできたと言えなくもない。
住民投票によって、“大阪都構想”が否決され、江田憲司代議士が維新の党の代表を辞任すると、5月19日、自動的に後継代表に据えられたのが松野氏だった。
「すでに、平沼赳夫代議士などベテラン議員は維新から抜けてしまっていましたし、残っているのは当選回数の少ない若手ばかりで、他に成り手もいなかったため、松野さんにお鉢が回ってきたに過ぎません」
と解説するのは、政治部記者である。
「とはいえ、いまや安保法案のキーマンです。安倍政権としては、世論の反発を買いかねないので、強行採決を避けたいのが本音。
そこで、与党に同調する動きを見せているのが、大阪維新の会の出身議員らです。松野さん自身も、“短期的には自民党に付いた方がベター”と周囲に漏らしている。
ただ、“大阪組”以外のほとんどの維新の議員が目指しているのは野党勢力の結集。松野さんの舵取り次第では、維新の分裂を招き、野党再編も水の泡と消えてしまうかもしれないのです」
つまり、安倍政権の推し進める安保法案だけでなく、野党再編のカギを握る人物としても、永田町で重要視される存在というわけなのである。
しかし、松野氏が国政を左右するような立場に就いたことに懸念がないわけではない。というのも、国会議員のなかでは資産家であると同時に、知る人ぞ知る借金王でもあるからだ。
例えば、松野氏が家族と共に暮らす住まいは、高級住宅街として知られる渋谷区松濤にある。2008年10月、そこに、地上3階地下1階の豪邸を新築したのだ。
松野氏の知人が明かす。
「壁面に石のタイルを貼りつけ、一見すると博物館のような建物です。ガレージは、素子夫人のお気に入りのベントレーが駐車できるように、出入口が大きめに作られている。
ただ、松野さんはいまはベントレーではなく、ベンツに乗っています。豪邸の地下にはカラオケルームが備え付けられ、それも素子夫人の趣味。
松野さんは素子夫人のために、かなり無理をして、松濤に家を建てたと聞いています」
永田町ではホステスと見紛うほどのド派手な格好が注目を集めたこともある素子夫人だが、松野氏は彼女に頭が上がらないと言われている。
不動産業者によると、
「あの辺りの相場は1坪550万円で、松野さんのところは60坪ありますから土地代だけで3億3000万円。加えて、建物の建築費がだいたい1億9000万円です。締めて、5億2000万円というのが、妥当なところではないでしょうか」
結果、住宅ローンとして、松野氏は、3億7300万円を背負うことになった。
さらに、この豪邸以外にも、松野氏は個人資産として、父親の故・松野頼三元代議士から相続した軽井沢の別荘を所有。しかし、昨年8月、そこも銀行からの借金2000万円の担保に入れられている。
■ファミリー企業も借金
となれば、年間どれくらいの金額を、借金返済に回さねばならなくなっているのだろうか。
ある税理士が指摘する。
「まず、松濤の豪邸ですが、住宅ローンの標準的な変動金利1・175%で30年ローンを組んだとすると、“元利均等方式”で計算した場合、返済額は年1475万円に上ります。
また、軽井沢は、家を建てるための融資ではなく、固定金利1・725%の事業ローンです。返済期間は住宅ローンより短くなるのですが、もし10年だとすると、返済額は年に217万円。
松野さんは松濤と軽井沢を合わせ、金融機関におおよそ1700万円を毎年返している計算になります」
ところが、昨年4月、国会に提出された“所得報告書”によれば、松野氏の給与所得(歳費、役員報酬など)は2285万円で、雑所得(テレビ出演料、原稿料)が89万円。合計すれば、2374万円だった。
「当然のことながら、そこから所得税や住民税、健康保険料、年金などを支払う必要がある。それらを差し引くと、ざっと見積もって、松野さんの手元には、1300万円ほどしか残りません」(同)
これでは、手取りよりも借金の返済が400万円も上回ってしまうことになる。
台所は火の車どころではないのだ。それだけではない。
個人にとどまらず、松野氏が代表を務めるファミリー企業も多額の借金を抱えている。
続く
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