15/06/20 21:13:23.97 *.net
2014年度の政府税収が大きく上ぶれし、一般会計税収は当初予算よりも4兆円以上増え、54兆円を超す情勢という。
消費税率8%への引き上げと、円安に伴う企業収益増による法人税収の大幅増が寄与したわけだが、気掛かりなのは今年度である。
消費税増税ショックのせいで14年度の実質成長率がマイナスに落ち込んだまま、景気が停滞するようだと、
税収の伸びは止まり、アベノミクス以前のように緊縮財政とデフレの悪循環にはまりこむ。
亡国路線に執着するのは、経済成長よりも財政均衡を最優先する財務官僚とその御用学者、御用メディアである。
早い話、本欄の前回で税収は財務官僚の主張よりかなり高く伸びると正論を吐く新浪剛史サントリーホールディングス社長(経済財政諮問会議議員)を取り上げ、
「財務官僚の大嘘を衝いた」と伝えたところ、某全国紙のコラムニストは小生のフェイスブックで罵詈雑言を浴びせてきた。
他紙の言論が気に入らないなら、自身が属する新聞紙面で反論するのが筋だが、財務官僚の走狗(そうく)となって吠えかかる。
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グラフは14年度の一般会計の税収を54兆円とし、名目経済成長率が内閣府の中長期見通し(経済再生ケース)とした場合の税収見通しである。
新浪氏が経済財政諮問会議で提起した税収弾性値(名目経済成長率1に対する税収の伸び率)1・3を前提に、
17年度の消費税率10%引き上げをしない場合と、弾性値を1とする内閣府試算(17年度に予定通り増税した場合)を比較している。
すると一目瞭然、税収は増税ケースよりも一貫して増えていく道筋がはっきり見える。
「新浪弾性値」は同氏の独断ではない。
財務省が弾性値の基準期間としている1980年代の安定成長期の弾性値が1・2~1・3という客観的な事実に基づいており、
諮問会議の他の民間議員である伊藤元重東大教授、経団連の榊原定征会長、日本総合研究所の高橋進理事長も同意している。
伊藤教授らはこれまで財務省の受けがよく、消費税増税に賛同してきたが、新浪氏が指摘する否定しようがない真実には同調せざるをえなかったのだろう。
経済財政諮問会議はようやく、経済成長こそが財政健全化の決め手となるという、国際的には常識の論理に近づいてきた。
財務官僚に内閣府が牛耳られている中で、安倍晋三首相、菅義偉官房長官、甘利明経済財政担当相は、
消費税増税の副作用払拭のために機動的かつ柔軟な財政政策を進めやすくなっている。
財務官僚はただでは転ばない。
官邸相手では形勢不利とみたのか、最近では猛烈な勢いで自民党保守派の「洗脳」に全力を挙げている。
安倍首相の意を受けて、国会で安全保障法制推進の先頭に立っている有力議員が、デフレに回帰させかねない緊縮財政を強硬に主張する。
デフレは財政収支を悪化させる元凶であるのみならず、国力を衰退させ、防衛力を弱体化させるというのにである。
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