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産経新聞 5月8日(金)21時55分配信
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気象庁は今回の箱根山の火山活動で水蒸気噴火が起きた場合、被害の発生地域は、
避難指示が発令されている大涌谷の半径約300メートル内と想定しており、その範囲外に被害が及ぶ可能性は低いとしている。
箱根山で起きた直近の火山活動の活発化は平成13年。群発地震が発生し、大涌谷で暴噴が起きたほか、
地下のマグマの圧力が高まって山が膨らむ「山体膨張」も確認されたが、噴火には至らなかった。
山体膨張は今回も確認されているが、神奈川県温泉地学研究所によると、山頂周辺の3地点で、
わずかな膨張を観測したものの、膨張したのは最大1キロあたり数ミリ程度。これは13年の4分の1程度という。
火山活動の活発化を示す兆候は、ほかにも地下のマグマや水蒸気の移動で地面が長時間揺れる「火山性微動」や、
通常の地震より揺れの周期が長い「低周波地震」などがあるが、今回は確認されていない。
東大地震研究所地震火山噴火予知研究推進センターの青木陽介助教(火山物理学)は
「13年の火山活動は大規模噴火にはほど遠いものだったが、現時点では今回は13年の活動にも及んでいない」と指摘。
「避難指示地域外で人的被害が発生するような噴火の可能性はほとんどないと考えていい」と話している。