15/05/03 12:31:51.33 *.net
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自民党憲法改正推進本部が作成したマンガ冊子「憲法改正ってなあに?」があまりにもデタラメだらけの内容であることに
大きな批判が巻き起こっています。
自民党憲法改正推進本部が安倍首相の肝いりで制作し、昭和27年にサンフランシスコ講和条約が発行して主権を回復した
4月28に合わせて発表されたのが、問題になっている憲法改正の意義を若者らに分かりやすく説明するためのマンガ冊子
「憲法改正ってなあに?」です。
自民が憲法改正漫画 若者ターゲット ? 西日本新聞
冊子では日本国憲法が「外国人の手でわずか8日間で草案が固められた」などと、いわゆる「押し付け憲法」であることを
繰り返し強調、現憲法を「みっともない憲法」と断ずる安倍首相の意向を強く受けたものとなっています。
本部長の船田元衆議院議員も会見で「憲法はGHQの影響下で作られたという歴史的事実を踏まえるべきだ。勇気を持って改正したい」
などと発言しており、約5万部が無料配布される見込み。なお、既に自民党のHPからはpdfでダウンロード可能です。
ほのぼの一家の 憲法改正ってなあに?(pdf)
マンガでの若者への政策アピールは既に珍しいことではありませんが、このマンガに関しては内容があまりにもデタラメだらけ
であることがネットでは大きな批判の的となっています。
マンガの登場人物は戦争体験を持つ曽祖父(92歳)と祖父(64歳)、父(35歳)、母(29歳)に孫(2歳)の5人家族、
ほのぼの一家。彼らが憲法改正について語り合うというもの。主に曽祖父が敗戦と日本国憲法の成立過程について
昔語りを交えて会話をリードしていきます。
まず最初におかしな話は11ページから。昭和21年というネットもケータイも環境問題という考え方もなかった時代に
作られた憲法が今の社会とかけ離れておりついてこれるのかに疑問を呈しています。
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風営法のダンス規制問題で似たような理由で法改正を目指していましたが、法律と憲法はもちろん一緒くたにはできません。
憲法にITやエコの話が書かれていないのは、それらが個別の法律ないし条例で規制なり運用されるべきものであるからです。
そもそも、憲法は国民ではなく国家が守らなければならない法律であるという立憲主義の基本中の基本を理解できているのか
怪しくなってくる内容です。AKB48の内山奈月さんが以下のようにシンプルに述べている認識は憲法を語る上では必須。
これを前提としない議論はその一歩目から致命的に間違っていることになります。
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この後に語られる日本国憲法成立に至る過程の描写も非常に恣意的で、安倍首相の「押し付け憲法」という憲法観に沿った
描き方をされています。
日本国憲法の成立過程については、美智子皇后の2013年の誕生日に際した談話でも言及されている、日本国憲法のGHQ草案に
実際に関わったベアテ・ゴードンさんへのインタビューを改憲派、護憲派共に一読頂きたいところ。
ベアテ・シロタ・ゴードンさんロングインタビュー 日本国憲法第9条にかける私の想い
非常に長いですが、「PART2 GHQ憲法の草案の話。」だけでも目を通し、マンガの描写と比較してみてください。
これに関してはひとつの資料やストーリーで全てを理解したつもりになることは非常に危険です。
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