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「てんかんで心神喪失」無罪に 04月14日 12時02分
おととし、東京都内の家電量販店で、ゲームソフトなどを万引きした罪に問われた男性に対し、
東京地方裁判所立川支部は「男性は当時、けいれんを伴わないてんかんの発作が続く症状によって
心神喪失の状態だった」と指摘して、無罪を言い渡しました。
この裁判は、おととし9月、都内の家電量販店で、ゲームソフトやヘッドホンなどを万引きしたとして、
都内に住む50代の男性が盗みの罪で起訴されたものです。
裁判では、裁判所が選任した医師による鑑定で、男性には、けいれんを伴わないてんかんの発作が続く
「NCSE」と呼ばれる症状があり、当時、発作が起きて意識障害が起きていた可能性が高いとされ、
弁護側は、心神喪失の状態だったとして、無罪を主張していたのに対し、
検察側は、懲役1年10か月を求刑していました。
14日の判決で、東京地方裁判所立川支部の阿部浩巳裁判長は「男性は鑑定の内容通り、当時、
意識がもうろうとして、自分の行動を制御できず、心神喪失の状態だった」などと指摘して、
男性に無罪を言い渡しました。
「NCSE」はけいれんを伴わないため、一見、発作が起きていることが分かりにくい特徴がありますが、
発作が起きると、物事を認知する機能の低下や意識障害などが表れるということです。
「NCSE」に詳しい「国際医療福祉大学熱海病院」の永山正雄医師は「『NCSE』について
あまり知られておらず、裁判で争われたケースをこれまでに聞いたことがない」と話しています。
無罪判決を言い渡された50代の男性は「当時は宙に浮いて意識がもうろうとしている状態で、
防犯カメラの画像を見て初めて自分の行為を思い出しました。店に迷惑をかけたことは間違いないので、
これからしっかりと治療して社会復帰をしたいと思います」と話していました。
男性の弁護を担当した林大悟弁護士は「これまであまり知られてなかった『NCSE』という症状について、
裁判所が認めたので画期的な判決だと思います。男性が治療に専念するためにも検察は控訴しないで
欲しいと思います」と話していました。
東京地方検察庁立川支部の名倉俊一副部長は「判決内容を精査し、上級庁とも協議のうえ、適切に対処したい」
とコメントしています。
NHK NEWSWEB
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