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2012年の日本の相対的貧困率は16.1%と過去最悪を更新した。相対的貧困率とは、国民の所得分布の中央値の半分(2012年は
122万円)未満である状態を示す。相対的貧困率には所有する資産は考慮されていないが、誤解を恐れずに単純化すると日本人の
6人に1人が貧困状態にあるということだ。今年1月時点の生活保護受給者も217万人と過去最多に上る。
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「貧困は自己責任」「本人の努力が足りない」―。
貧困世帯には時として厳しい批判が飛ぶ。だが本当にそうなのか。病気、ケガ、介護、転職、失業……誰にでも起こりうる事態を
きっかけに、人々は「安定」からいとも簡単に滑り落ちていくのだ。
■年収1200万円の生活が一転
「まさかこんなことになるなんて……」
50代の男性はそう嘆く。彼はかつて誰もがうらやむエリートビジネスマンだった。外資系IT企業を渡り歩いてキャリアアップ。ピーク時の
年収は1200万円に上り、充実した生活を送っていた。ところが、現在の年収は約300万円と4分の1に。一時は生活保護の申請に足を運ぶ
など、生活に困窮していた。彼の身に一体何が起こったのか。
最初のきっかけは病気だった。2005年頃に大手通信会社系企業に転職。その後、スマートフォンの新商品発売に向けた連日の激務