15/04/05 15:40:41.39 *.net
TBSラジオで放送中の「荻上チキ・Session-22」に、作家であり、偽史などの研究家である
『江戸しぐさの正体』の著者、原田実さんが出演していたので聞いていた。
URLリンク(www.tbsradio.jp)
江戸しぐさとは、芝三光という人物が、江戸商人の間で口伝として
伝えられてきた「しぐさ」を集めたものと主張するものである。
メディア的には2004年の公共広告機構のCMに使われて一部で話題となり、
今では道徳の検定教科書や道徳の副読本にも登場している。
僕も過去に眼光紙背の記事で、江戸しぐさを扱った事がある。(*2)
この時にも論じたように、江戸しぐさとは、江戸という過去の権威性を、道徳の押し付けに利用しているものにすぎない。
しかし、当時の記事で比較に出した「水からの伝言」がすぐに下火になったのと対称的に、
江戸しぐさは教育の場などに普及し、また、ネクスコ東日本が羽生パーキングエリアに、
鬼平犯科帳と江戸しぐさを扱った商業施設を設置するなど、ずいぶん勢力を増してしまっている。
さて、江戸しぐさの怪しさについては、僕の過去の記事を読んでもらうとして、
ラジオ番組中で原田は「日本人はいい話に対する耐性が低い」という論旨の発言を行った。
つまり、江戸しぐさが偽史であることがいくら指摘されても
「そんな固いことを言わずに」的なごまかしが通用してしまうということだ。
僕はこのことは、江戸しぐさに限らず、過去から未来に渡るまで、日本を問題の多い国で
在り続けてしまう問題の、一番の原因であると考える。
それこそ「子供を守る」というお題目が、犯罪に対する厳罰化や性的な表現の排除、
さらには震災被災地に対する無責任な差別的言説などと、その問題点の指摘無きまま、
無闇に広がってしまうのも、こうした「いい話」というお題目に対する耐性が低いからであろう。
>>2以降に続く
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