15/04/05 14:23:20.08 *.net
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有効求人倍率(1.09倍)がバブル期以来の高水準に回復し、完全失業率も4年連続減少している。
安倍政権は雇用の改善を強調し、アベノミクス効果を高らかにうたう。
しかし、希望する正規の職がなく、やむなく非正規雇用を選ばざるを得なかった
労働者は国内で300万人以上に上る。政権の後ろ盾となっているデータ通り、
果たして就労環境は改善されているのだろうか。非正規社員の職場を歩くと、悲鳴の声が上がっていた。
「正社員にする」。企業や学校の送迎運転を請け負う会社で契約社員として
働く福岡県内の30代の男性は昨年、上司からそう言われた。2歳上の交際相手との結婚に踏み切るきっかけになった。
しかし、その後「約束した」上司は異動。正社員の話は宙に浮いたままだ。
かつては運送会社に正社員で勤めたが、過労で倒れるなどして退職。
その後、契約社員で勤めた別の会社ではガソリン高騰が経営を直撃して契約を打ち切られた。
今の仕事は体を壊さずに運転手経験も生かせると選んだ。だが企業や学校の休みが多い月には
出勤日が減るため収入は不安定だ。月20万円を割り込まないよう、手当がつく遅番を意識的に増やしている。
近く結婚式を控える男性は「子供ができてもやっていけるのだろうか。年金とか後々を考えると正社員がいいよなと思う」と語った。
総務省の労働力調査によると、2014年の非正規労働者は1962万人で5年連続の増加となった。
10年前の04年に比べると400万人も増えている。一方、正規労働者は3278万人で7年連続の減少。
04年に比べると130万人少なくなった。
14年の非正規労働者約1962万人の働き方を選んだ理由は「都合良い時間に働ける」(25.2%)
▽「家計の補助・学費を得たい」(21.4%)など自発的な理由が挙がる一方、
「正規の職員・従業員の仕事がないから」という、望んで非正規に就いたわけではない
不本意層が約331万人いた。特に、働き盛りの25~44歳の男性非正規では不本意層が4割を占める。
14年の有効求人倍率(1.09倍)はバブル期以来の高水準で、完全失業率(3.6%)も4年連続で好転。
だが、不安定な非正規層に支えられた雇用指標の「改善」に、専修大の高橋祐吉教授(労働経済学)は
「良い仕事があったら変わりたいと考える不本意な労働者は『隠れた失業者』とも言える。
そうした労働力に頼ったビジネスモデルが定着しても、社会の安定は生まれない」と懐疑的だ。
政府は今国会で労働者派遣法の改正案成立を目指している。現在は一部の専門職を除き、
企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間を最長3年に制限しているが、労働者を入れ替えれば
継続的に雇えるようになる内容だ。人件費を削りたい経営側に都合良く利用される懸念も指摘されている。
人口も減少する中、高橋教授は「疲弊して将来設計を描けない働き方を広げるような成長戦略では、行き詰まる」と警告する。【青木絵美】
◇アベノミクス、実態は非正規拡大
安倍晋三首相は就任した2012年から2年間の「アベノミクス」の成果として「100万人の雇用を生み出した」と強調する。
だが2年間で正規労働者は約50万人減り、非正規労働者は約150万人増えた。
首相が言う「100万人の雇用創出」の実態は非正規の拡大だったことになる。
13年の総務省の調査によると、非正規の男性の78%は就労収入が年間300万円に届かない。
厚生労働省の別の調査では、結婚に対する意識も正規労働者より低い。
非正規労働者などの相談を受ける連合福岡ユニオンの担当者は「抜本的な解決は直接雇用の正社員を原則にすること」と訴える。
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