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先月16日、中国財政省は今年1~2月の全国財政収入の伸び率は「前年同期比で3.2%増であった」と発表した。
日本の感覚からすれば、「3.2%増」は別に悪くもないだろうが、中国の場合は事情がまったく違う。
たとえば2006年から10年までの5年間、中国の財政収入は年平均で21.3%の伸び率を記録しており、11年のそれは25%増という驚異的な数字であった。
しかしその3年後の14年、伸び率は8.6%となり、ピークの時の約3分の1に急落した。
そして前述の通り、今年1~2月の伸び率はさらに落ちて3.2%増となったから、中国政府にとって実に衝撃的な数字であったに違いない。
数年前まで、毎年の財政収入は急速に伸びてくれていたから、中国政府は2桁の国防費増加を図り、思う存分の軍備拡大ができた。
また、国防費以上の「治安維持費」を捻出することによって国内の反乱を抑え付けて何とか政権を死守してきた。
その一方、潤沢な財政収入があるからこそ、中国政府はいつも莫大な財政出動を行って景気にテコ入れし経済成長を維持できた。
言ってみれば、共産党政権の安泰と中国政府の政治・外交および経済の各面における統治能力の増強を根底から支えてきたのは、高度成長に伴う急速な財政拡大であった。
だが「お金はいくらでもある」というハッピーな時代は終わろうとしている。
もちろん、今後の財政収入が伸び悩みの状況になっていても、今の習近平政権は軍備拡大のテンポを緩めるようなことは絶対しないし、
政権を死守するためには「治安維持費」を増やすことがあっても、それを削ることはまずない。
それゆえ、中国政府の財政事情がますます悪化していくこととなろう。
中国にとっての財政問題はもちろんそれだけではない。地方政府の財政も大変厳しい状況下にある。
今の財政制度では、全国の税収の大半は中央政府に持っていかれているから、各地方政府は常に慢性的な財政難にある。
そして、この20年間、長期にわたる不動産ブームの中で、各地方政府は国有地の使用権を不動産開発業者に高値で譲渡するという錬金術を使って何とか財政収入を確保できた。
だから各地方政府の財政収入に占める「土地譲渡金」の割合は平均して4割程度に上っていた。
つづく
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