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会計検査院は二十三日、東京電力福島第一原発事故で、国が税金で負担している除染や、東電の被害者への損害賠償費の利息が、
最大で千二百億円を超えるとの試算を明らかにした。
試算では、国が肩代わりしている除染や賠償の資金援助額が上限の九兆円となった場合、返済を終えるまでに最長三十年間かかり、
その間の金利負担が最大で千二百六十四億円に上る。国は金融機関から資金を調達して東電に援助しているが、利息分は返済を
求めず、国民の税負担となる。
また、検査院は福島第一原発1~4号機の廃炉・汚染水対策に国が投じた費用が、これまでに総額千八百九十二億円に上ったことも
明らかにした。
検査院によると、国は廃炉・汚染水対策として、1~4号機の建屋周りの地盤を凍らせて壁をつくり、地下水の流れを止める「凍土遮水壁」
の建設に三百十九億円をかけた。汚染水からほとんどの放射性物質を取り除けると期待される高性能の除染装置の開発には百五十億円
を投じた。
このほか、原子炉格納容器の水漏れ場所を特定する技術開発(十六億円)をはじめとした補助金事業や、研究委託費などに支出された。
汚染水対策は問題が次々と起きているほか、原子炉から溶け落ちた核燃料の状況も不明で、今後も研究開発などの財政負担が増す恐れ
がある。
<福島原発事故の賠償制度> 政府は2014年1月、東京電力への新たな支援の枠組みを決めた総合特別事業計画を認定。
約2兆5000億円の除染費用などを見込み、東電への資金援助として原子力損害賠償・廃炉等支援機構に交付していた国債の上限を
5兆円から9兆円に拡大した。資金回収には東電を含む電力各社などが機構に支払う2種類の負担金に加え、機構が保有する1兆円分
の東電株の売却益や、国が機構に交付する中間貯蔵施設関連費用約1兆1000億円を充当。各社の負担金は、国民が支払う電気料金
などで賄われている。
<会計検査院の検査対象> 内閣から独立した地位で国の予算が適切に使われたかどうかチェックする会計検査院は、国の機関や、
国が2分の1以上を出資する法人、国の出資法人がさらに出資した企業などを検査対象としている。国から財政援助を受け、原子力
損害賠償・廃炉等支援機構からも出資を受けている東京電力は対象となる。民間企業ではほかに日本郵便やJR北海道なども含まれる。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)