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焼失した飯舘村佐須の山津見神社拝殿にあったオオカミの天井絵が復元される。
火災発生前、オーストラリア人写真家が撮影した写真を基に、東京芸術大の教員と学生が描く。
神社は東京電力福島第一原発事故により避難生活を送る住民の心のよりどころで、関係者は
「新たな天井絵が、村の人の気持ちをつないでくれるはず」と完成を心待ちにしている。
平成25年4月に焼失した山津見神社の拝殿は明治37年に建設された。オオカミの天井絵は237枚あり、当時の宮司、
久米中時が私財を投じ、絵師に描かせたとされる。1枚ごとに図柄やオオカミの表情が異なっていた。
神社には、白いオオカミが山の神の使いとして現れたという伝説が残されている。
火災が起きる2カ月前、環境学が専門でニホンオオカミなどを研究している和歌山大教授の加藤久美さん(54)と、
オーストラリア出身の写真家で同大特任助教のサイモン・ワーンさん(58)が神社を訪れた。オオカミの天井絵を見学するためだ。
2人は「神社の天井にオオカミが描かれているのは全国的に珍しく価値がある」と評価し、ワーンさんが237枚全てを写真に収めた。
「まさか、あの見事な天井絵が失われたなんて…」。拝殿が全焼したことを知った2人は、
「原発事故で避難を余儀なくされた住民に希望を届けよう」と天井画の復元に乗り出した。
知人から紹介された絵画復元の専門家で東京芸大大学院美術研究科准教授の荒井経さんに天井絵の制作を依頼。
同科の研究生らが来月から本格的な作業に入り、板に顔料を使いオオカミの絵を描く。
全237枚のうち何枚の絵を復元するか、神社側と調整している。
焼失した拝殿は再建が進められており、今年8月ごろに完成する予定。荒井さんと学生らは、秋に行われる
神社の例大祭までに天井絵を仕上げる考えだ。
加藤さんとワーンさんは「飯舘村と住民をつなぐ象徴であるオオカミの絵を復元することが、村の復興につながってほしい」と
期待を寄せている。
山津見神社の秋の例大祭は火災の後も行われ、氏子や参拝者が県内外から訪れている。
氏子総代を務め、伊達市の仮設住宅で避難生活を送っている菅野永徳さん(75)は
「復元される天井絵は、各地にばらばらに暮らす村民に希望を与えてくれるだろう」と話している。