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戦後の日本の役割について講演する米ペンシルベニア大学のアーサー・ウォルドロン教授=東京都千代田区(蔵賢斗撮影)
残念ながら日本は現実的な戦争の可能性に直面しているのではないか。その戦争
をどうやって回避するかについて話したい。
1971年、当時のニクソン米大統領は世界をあっと驚かせた。中国共産党が中国を
支配して以来、疎遠になっていた中国を訪問すると発表したのだ。当時の米国人は「冷
戦が終わり、米中という2大国が再び友人になり、平和裏に共存できるのではないか」と
希望を感じた。
だが、現実は違った。
中国は巨大で強力な軍を有し、2010年ごろから非常に強い態度で領土・領海の主権
を主張するようになり、周辺国はおびえるという残念な状況だ。私は小さな軍事的衝突が
起き、誰も予期しない深刻な戦争に発展する事態を心配している。アジア全体を巻き込
むような、壊滅的な戦争に発展する可能性さえある。
現在の米中は相互依存度が非常に高い。13年の2国間の貿易総額は5620億ドル。
中国政府は米国債を1・3兆ドル保有している。13年から14年にかけて、米国への留学
生は88万6千人だったが、その4分の1が中国から来た。
ところが米中両政府の関係は決して緊密ではない。
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