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午前5時から働いて、仕事が終わるのは午後8時か9時。残業代は1時間350円しかもらえない。契約上は月給12万5000円だった
のに、毎月5万円程度を強制的に「貯金」させられた。「外国人技能実習制度」を使って数年前に来日し、北関東の農園で働いていた
中国人の青年から聞いた話だ。
貧しい農家に生まれ育ち、日本に来るために、仲介業者に保証金を含めて100万円程度を支払った。実家の年収の数倍の額だから、
当然借金をするしかなかった。日本は自由な国だと思っていたのに、待っていたのは「奴隷のような生活」。パスポートを取り上げられ、
電話も自由にかけられない日々が続いたという。
2013年末時点の実習生は約15万5000人。不当な低賃金労働や人権侵害が横行しているとも言われるが、決まった職場で実習する
ことを前提に在留を認められているから、途中で辞めたら日本にいられなくなる。どんなひどい職場でも転職する自由はない。
制度の本来の趣旨は「国際貢献」にある。最長3年の実習期間中に日本の技術を身につけてもらうことで、途上国の人材育成に協力する
という理屈だが、本音はどこにあるのだろうか。単純労働の外国人の定住は認めないけど、安価な労働力は確保したい。そこで、国際貢献
に名を借りて期間限定で働いてもらうことにした。実態を聞いていると、そう思えて仕方がない。
政府は制度拡充に向けた法案を今国会に提出するが、議論の過程では廃止を求める意見も出たそうだ。本当に国際貢献にふさわしい
制度なのか、根本から議論してもらいたい。
ソース(毎日新聞 「発信箱」、社会部・木戸哲氏)
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