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空き家は老朽化して誰も住めなくなった家だけではない。庭付き一戸建てが並ぶ郊外の住宅地を歩けば、
雨戸を閉め切った「空き家予備軍」がいくつもある。子どもたちが成人して独立し、
残された高齢の親世代が体調を崩して介護や医療施設へ移ってしまったからだ。
子どもたちの多くは都心のマンション住まいだ。バブル崩壊後に長く続いた低成長で、
大卒の初任給は横ばいが続き、夫婦共働きは珍しくない。子どもができても郊外の住宅に住んでいては
通勤に時間をとられてしまう。それならば、職場まで電車で一本の近場に便利で手頃な値段の住まいがたくさんあるではないか-。
こう考える若い世代は、親が亡くなっても郊外の実家は要らない。売ったり貸したりできるならいいが、
その見通しは立たず、固定資産税も重荷だ。兄弟が大勢いた時代は長子が継ぐのが普通だが、
少子化が進んだいまは押し付けが始まる。一人っ子の場合は新たな負債を背負うことにもなる。
新潟県南魚沼郡湯沢町。上越新幹線の越後湯沢駅のホームからは、林立するリゾートマンション群が見える。
バブルの絶頂期、スキー場に近くて温泉プール付きのこれらの物件は投資用としても人気を集め、
数千万円で取引された。それがいまの売値は10万円単位だ。
それでも売れない。バブルの終焉とともにスキー人口も縮小し、温泉街は寂れ、商店街はシャッター通りと化した。
リゾートマンションは自然の中に建つため傷みが激しく、日常生活を送るには不便な造りだ。
★1の立った日時:2015/02/01(日) 14:45:55.39
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