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「女性も自立すべき」という風潮が貧困を生む―『最貧困女子』著者インタビュー【前編】2015年1月15日
『最貧困女子』著者が語る、負のスパイラル構造
「貧困」という言葉を聞いてもどこか別次元の話のように感じる人も多いのではないでしょうか?
会社の倒産、突然の解雇、思わぬ借金、親の介護、自身の病気……。さまざまな原因から突如として襲いかかる、けっして他人事ではない貧困。
明日、地獄に突き落とされるのはあなたかもしれない。
今回は、『最貧困女子』(幻冬舎新書)の著者であるルポライターの鈴木大介さんに女性を取り巻く貧困事情についてお聞きしました。
地獄の中でもがき苦しむ女性たちを数多く取材されてきた鈴木さんが見てきた貧困という闇。
貧困地獄に陥らないために、また、貧困から脱却するために女性たちは何をすべきなのか。
いつ自分の身に降り掛かってきてもおかしくない、「貧困」について、真っ正面から伺いました。
身を売って生計を立てることが成り立たなくなっている
―不況が叫ばれて久しい昨今、女性の貧困は悪化しているのでしょうか?
鈴木大介さん(以下、鈴木):貧困に男も女もないというのが僕の考え方で、男性にも同様に貧困はありますが、
女性の貧困はとにかく「見えづらい」ということがあるかと思います。
基本的にアッパークラスや中流、低所得層といった階級階層は分断され、人の交流も情報の交流もなく、自分のいるステージが上下左右することもなく、
階級階層化社会が固定している感じがします。
そうなると、自分以外の階層の人々のことは、想像もつかなくなる。
でも、自分の著書で書いているセックスワークの中の最貧困層は、無視され続けてきただけであって、ずっと昔から連綿と生き続けていたし、
その層は確実に拡大しています。
最も見えづらい女性の貧困として、セックスワークの中にいる貧困女性のことを取材してきましたが、低所得の女性が増えてくるにあたって、
セックスワーカーが人材的に飽和してきている。
その中で30代の女性にとってのナイトワークというものがかつてはセーフティーネットになり得た部分があったが、今はかなり難しい状況になってきています。
文字通り、身を売って生計を立てることが成り立たなくなっている。
ナイトワークの現場からすると採用人数より、落とす方が圧倒的に多いのが現状なんです。
女性だけに出産と失職リスクが集中している
―30代女性が貧困に陥る原因はどんなことが多いのでしょうか?
鈴木:一番の原因は、ちゃんと計画のできていない結婚と出産、離婚。数字的にも結婚の年齢が平均30.1歳で、離婚の年齢が平均、30~35歳の間に集中している。
その間に子どもを産んで離婚するという話になってくると、「就業の壁」といわれている35歳と、子どもの一番手のかかる時期というのがかぶさって、
なおかつそこで支援してくれる旦那がいないとなってくると容易にコロッと貧困側に陥る可能性が高まる。
働けないのに支援がない状態になってしまうわけです。
―結婚、出産、離婚以外に女性が貧困に陥る原因とは?
鈴木:メンタルの問題が大きいですね。
基本的に人間がメンタルを失調していくのにはいろいろな原因があると思うんですけど、そもそも親の支援があったら貧困じゃない。
でも、支援する親がいない。親との関係性が破綻している。親そのものが貧困である。
そういう生い立ちと20代30代でメンタルを壊していくことは明らかに符合して被るものなので、ダブルでくるワケです。
毒親とメンタル失調率ってリンクしていますから。
あとは、職場環境の問題。会社社会の中で女性のキャリアアップの道って閉ざされていますよね。
そもそも活躍のベースが作られていない。「女性の引き時感」が社会や会社の中にある。
「再雇用は35歳まで」という暗黙のルールがあるので、女性が安定した仕事にずっと就いていること自体なかなか難しい面があります。
URLリンク(wol.nikkeibp.co.jp)
>>2以降に続く