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◇被害男性、一時意識不明 秘書「月曜まで待って」
衆院選公示期間中の12日、東京1区の自民党、山田美樹氏(40)の運動員が選挙区内で人身事故を起こし、
被害者が救急搬送される近くで山田氏ら陣営が街頭演説を行っていたことが毎日新聞の取材で分かった。
翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」などと言って
身分を明かさなかったことも判明。被害者側は「非常識だ」と批判しており、山田氏の事務所は取材に対し、
山田氏本人に事故をすぐ報告すべきだったなどと釈明している。
警視庁神田署などによると、事故は12日午後1時半ごろ、東京都千代田区神田神保町2の神保町交差点そばで発生。
道路左側に止めた車の右後部ドアを運動員の30代男性が開けたところ、後ろから来た都内の印刷関連会社に勤務する
60代男性のバイクと接触した。男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。
半年間の通院が必要で運転もできない状態だという。
車に乗っていた山田氏事務所の吉沢昌樹政策秘書らによると、遊説支援で山田氏と合流するため神保町へ向かい、
到着直後に事故が起きた。山田氏らは救急車が到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、
事故処理中も続けた。終了後に選挙カーで移動し、山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だったという。
被害者の男性は勤務中で、勤め先の会社会長(68)は「運動員の事故も知らず、近くで演説するのはおかしい」と指摘。
「吉沢秘書らが親族を訪ねたのは事故翌日で、名刺を渡すことや身分を明かすことを『月曜(投開票翌日)まで待ってほしい』
と言って拒んだと親族から聞いた。不誠実だ」と批判する。
取材に対し、山田氏の事務所は「候補者(山田氏)への事故発生の連絡が遅くなった点については厳重に注意した」と文書で回答。
被害者側への対応については「捜査中で詳細について説明できないが、誠意を持って対応している。山田もお見舞いに伺った」としている。
しかし、山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、
国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。
山田氏は東京大法学部卒業。米コロンビア大経営学修士の元経済産業官僚で、東京1区で民主党代表だった
海江田万里氏を破り再選された。【鈴木泰広】
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山田美樹衆議院議員
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