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ついに17日、リニア中央新幹線の着工が始まり、東京駅と名古屋駅で式典が開催された
だが、前日の16日には「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」が建設認可の取消しを求める
「異議申立書」を国土交通省に提出。今後、沿線住民、特に立ち退きを食らう住民の粘り強い抵抗が予想され、事業はすんなり進みそうにない。
また、立ち退きのみならず、建設費用についても大きな問題があることを前回伝えた。
さらに、工事が順調にいかない理由がもうひとつある―トンネル工事の入札などはいまだ公募していないが、現状ではすぐに食指を伸ばすゼネコンはないというのだ。
10月下旬、鉄道建設では名の知られた準ゼネコンのベテラン社員であるBさんに話を伺うことができた。
リニア特需に期待する立場で語られるかと思いきや、意外にもそうではなかった。
「わが社ではリニア建設を躊躇(ちゅうちょ)しています。というか、リニア計画への参入には後ろ向きです」
それは一体、なぜ?
「採算が取れるかが怪しいからですよ。おそらく受注したら、1㎞あたり数十億円とか数百億円の枠での受注となるでしょう。
つまり、弊社がその額面以内で工事を終えられるかということです。
これまでの整備新幹線は、国と自治体のお金で建設されたから工費がオーバーになってもカバーしてもらえた。
だが、今回は違う。JR東海は、1987年の国鉄民営化の時に国から東海道新幹線を約5兆円で買い取りましたが、その時の借金がまだ約3兆円残っています。
そういう会社が全額自費負担でリニアの建設を手掛けるということは、工期が延びて工費がかさんでも、最初の受注額以上はビタ一文、弊社には入りませんからね」
工期が延びるなど建設工事ではよくあることだが、Bさんは、特にトンネル工事を懸念している。
というのは、リニアは東京-名古屋間の286㎞のうち86%にあたる246㎞がトンネル区間だからだ。
途中には史上初のトンネル掘削となる「天然の水瓶」南アルプス連峰もある。
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着工したけど金がない! 最後は公約破りの国費投入へ
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