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ＳＴＡＰ細胞は、ありませんでした－。理化学研究所による検証実験で、小保方晴子氏（３１）
の実験でもＳＴＡＰ細胞ができなかったことが１８日、分かった。検証チームは１６１５回の実験
で万能性を１度も確認できず、来年３月までの予定だった検証実験を打ち切り、ＳＴＡＰ細胞の存
在を事実上否定した。代理人によると、小保方氏は現在もＳＴＡＰ細胞の存在を信じているとい
う。
理研は今日１９日、ＳＴＡＰ細胞検証チームの相沢慎一特任顧問らが都内で会見を開き、実験結
果を発表する。小保方氏は精神的な疲れから出席しない見通し。今年４月の会見で「ＳＴＡＰ細胞
はあります」「２００回以上作製に成功した」と話したのは、虚言だったのだろうか。
小保方氏は７月から検証チームに参加し、第三者の立ち会いや監視カメラの下で実験した。万能
細胞の目印となる遺伝子が働くと緑色に光るように遺伝子操作したマウスの脾臓（ひぞう）の細胞
を使い、ＳＴＡＰ細胞の作製を試みた。
緑に光ると万能性を持つ可能性を示すが、それだけでは断定できない。この細胞を別のマウスの
受精卵に注入し、細胞が混ざり合ったキメラマウスになれば万能性が証明できる。
小保方氏の４８回の実験で、万能性を持つ可能性を示す緑に光る細胞が得られることもあった
が、数は論文に比べて非常に少なかった。検証チームは１６１５個の受精卵に注入したが、万能性
を１度も確認できず、増殖能力がある「ＳＴＡＰ幹細胞」も作れなかった。理研は、ＳＴＡＰ細胞
は事実上存在しないと判断し、検証実験を終了した。
検証チームは８月、細胞を酸で刺激する論文通りの方法では、ＳＴＡＰ細胞は作製できなかった
とする中間報告を公表している。
ＳＴＡＰ論文は撤回されているが、これまでに捏造（ねつぞう）や改ざんと認定された項目以外
にも複数の疑問点が指摘されており、理研の調査委員会が調査を進めている。調査委の結果がまと
まり次第、中断している小保方氏らの懲戒処分の検討を再開する予定。
小保方氏は「悪意のある捏造はない」と主張しているが、論文のデータと、衆人環視の下で行っ
た実験結果の間の落差はあまりに大きい。日本の科学技術に対する信頼は、揺らいだままだ。
＜ＳＴＡＰ細胞問題の経過＞
▼２０１４年１月２９日 理化学研究所の小保方晴子氏らが英科学誌ネイチャーにＳＴＡＰ論文
を発表。
▼２月１３日 論文の画像が不自然と指摘があり理研が調査開始。
▼３月１０日 共著者の若山照彦山梨大教授が論文の撤回呼び掛け。
▼３月１４日 理研の調査委員会が中間報告。野依良治理事長が「未熟な研究者。重大な過誤」
と陳謝。
▼４月１日 調査委がＳＴＡＰ論文に捏造と改ざんの不正があったと発表。理研が検証実験開始。
▼４月９日 小保方氏が記者会見。「ＳＴＡＰ細胞はあります」と強調。
▼６月３０日 小保方氏を検証実験に参加させると発表。
▼７月２日 ネイチャー誌がＳＴＡＰ論文撤回。
▼８月５日 共著者の笹井芳樹氏が自殺。
▼８月２７日 検証チームが「ＳＴＡＰ細胞はできていない」と中間報告。
▼１１月３０日 小保方氏の検証実験終了。
［2014年12月19日8時37分 紙面から］
日刊スポーツ：URLﾘﾝｸ(www.nikkansports.com)
【STAP細胞】小保方氏、細胞を再現できず 理研、19日に会見へ（ニュース動画）[12/18_18:28]★３
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