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中村 陽子 :東洋経済 編集局記者 2014年12月07日
Daid Atkinson●1965年生まれ。オックスフォード大学で日本学を専攻。アンダーセン・コンサルティング、ソ
ロモン・ブラザーズを経て、92年ゴールドマン・サックス入社。2006年にパートナーとなり、07年退社。09年
小西美術工芸社に入社、10年に会長、11年から社長兼務。裏千家茶名「宗真」を持つ。(撮影:梅谷 秀司)
バブル崩壊後、不良債権問題が深刻さを増す一方の時代、いち早く警鐘を鳴らし、実効性ある打開策を
発し続けた気鋭のアナリストが今、百八十度異なるフィールドで日本の現実と向き合っている。
─第一線の銀行アナリストを辞めたのは42歳という若さでした。
自分の役割は終わったと思ったんですね。ゴールドマン・サックスのパートナーを辞めた2007年ごろには、
ほとんど自分の提示した形で不良債権問題の最終処理、担保不動産の処分が進んだ。邦銀も2~4行あ
れば十分と主張して結局主要3行になり、多くの問題にメドがついた。
自分は経済全体から見た金融システムの構造問題を分析するスタンスなので、「EPS(1株当たり利益)は
何円か」などに興味がない。自分が得意とする分析はもう必要とされないと思いました。引退後は茶道をし
たり京町家を買って修復したり、2年ほど自由にしていました。
そこへたまたま、別荘が隣同士という縁で小西美術の経営を見てくれという話が来て、フタを開けたらこれ
は大変だと。文化財保護の職人を尊重しているようで、現実には潰している世界であること知りました。
小西美術は漆塗りの老舗ですが、業界のほとんどが新しい会社なんです。本物の伝統技術を持つ本物の
老舗はほとんど残っていません。明治以降の修復技術が横行し、それがダメとは言わないけれど、長い時
を経て受け継がれてきた方法はそれ自体が一つの文化。でも新しい会社と競争することで財政的に厳しく
なり、本来発揮できる技術が使えず、技術のよさがかなり薄れていました。
引用元:東洋経済オンライン URLリンク(toyokeizai.net)