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通勤路線で異例、3ドアに減らし統一…JR大阪環状線「323系」正式発表 国鉄車両すべて置換
2014.12.8 18:50
複数の路線が乗り入れ、ドア枚数の異なる電車が混在して走るJR大阪環状線のドア枚数の統一を検討してきたJR西日本は8日、片側3ドアの新型車両「323系」(8両編成)を平成28年度から導入すると正式に発表した。
30年度までに21編成(計168両)を投入し、国鉄時代に製造された片側4ドアの旧型車両を全て置き換える。大阪環状線の車両を3ドア車で統一することで、整列乗車の促進と乗降時間の短縮が期待できる。乗客のホーム転落や電車との接触を防ぐホームドアも設置しやすくなるという。
朝ラッシュでも「遅延ない」…無料の無線LANも導入
大阪環状線に新型車両が導入されるのは昭和36(1961)年の開業以来初めて。環状線では全19駅の改良工事などを行う「大阪環状線改造プロジェクト」が進んでおり、JR西は、新型車両の導入で「大阪の街の活性化に寄与したい」としている。
323系は大阪環状線で長年親しまれたオレンジ色を基調とし、先頭部には改造プロジェクトのロゴを配した先進的なデザイン。通勤路線では珍しい3ドアの新型車両で、混雑の激しい8号車は座席を減らし、広い立席スペースを設けた。
国鉄時代の車両よりも消費電力を3割削減して「省エネ化」を図り、電気機器や保安装置などの二重系化し、1つの機器が故障しても運転が継続できるように改良。ドアに何か挟まった場合に乗務員に知らせる「戸挟み検知装置」や、運転士が意識を失った場合に自動的に列車を停止させる装置も導入し、安全性の向上も図ったという。
訪日外国人の利便性を考慮し、車内のドアの上には4カ国語で表示できる案内ディスプレーを設置。自動放送も2カ国語に対応する。JR西の普通列車では初めてとなる無料公衆無線LANサービスも導入する。
一般的にはドア枚数が多いほど乗降がしやすいとされ、利用客の多い通勤路線では4ドア車が使われる。3ドアの新型車両導入は珍しいが、JR西は通勤時間帯での3ドア車の導入試験を今年2月に実施し、「3ドア車でも遅延や大きな混乱はない」と判断したという。
大阪環状線を走る電車は現在、4ドア車が6割、3ドア車が4割。このため、電車によって駅ホームの乗車位置マークが「△」と「○」で異なり、利用客の多い大阪駅などではラッシュ時の混雑が問題になっていた。3ドア車の導入でこうした混乱を解消する狙いがある。
大阪環状線は環状運転が始まり今年3月で50年の節目を迎えたが、103系は昭和44年の使用開始から45年が経過するなど、車両の老朽化が指摘されていた。
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