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ドル円相場で、ついに1ドル=120円をつけた。これを好感し、
株式市場は乱舞。5日、日経平均は6日続伸し、1万7900円台で取引を終えた。
「為替も株も、07年夏の水準です。兜町は7年ぶりの高値に沸いています」(市場関係者)
07年といえば、有馬記念でマツリダゴッホが優勝し、レコード大賞はコブクロの「蕾」が受賞
安倍自民党は、「株価は景気の先行きを占う指標。日本経済は確実に好転する」と有権者に訴えている。
確かに、為替や株価は07年水準に戻った。しかし、庶民の肌感覚、生活実感は当時とはまるで異なっている。
例えば、サラリーマンの年間給与。07年は437万円あったが、現在は408万円と30万円近く減った。
小遣いは4万9736円が3万9572円。1万円以上の減少だ。ランチ代は598円→541円だし、飲み代(月)なんて1万6951→8459円と半減している。
■物価だけが急上昇
正社員は143万人減り、1世帯当たりの金融資産(預貯金、株式など)は中央値(ボリュームゾーン)
で100万円の減少。反対に、非正規雇用は248万人増え、金融資産ゼロの世帯は
10ポイント近くも増加している。どう考えても、07年のほうがマシだった。
「日本は、08年のリーマン・ショックから立ち直っていないということです。しかも、物価だけは上昇を始めた。
07年から14年の7年間をみると、米国の物価上昇率のほうが日本より7、8%高かったため、
輸入品価格は値上がりした。そこに急速な円安が重なり、一段の物価上昇を招いています。
だから、いまの1ドル=120円は、130円ぐらいのインパクトがあるのです」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
たばこ「マイルドセブン」(現メビウス)は、07年に300円だったが、今は消費増税の影響もあって430円だ。
「カップヌードル」は07年155円が、来年1月には180円に値上がりする。
モノの値段は急騰し、給与は下がっている。当然、貯蓄は減っていく。
株価と為替だけは07年の水準に戻ったが、庶民の生活はさらに沈んでいる状態である。
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1ドル120円、株1万8000円…07年水準回復で生活は悪化した
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