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福島第1原発の2号機タービン建屋から海側トレンチ(地下道)に流れ込む汚染水を遮断するための「氷の壁」が凍らない問題で、
東京電力は21日、原子力規制委員会の検討会で、効果がないことを確認し氷の壁だけの止水を断念することを明らかにした。
汚染水を徐々に抜きながら、水中不分離性のセメント系材料でトレンチを埋める工法に移行する。
規制委の更田(ふけた)豊志委員は「止水というのは一体何だったのか。これ以上不満を言っても仕方ないが、
とにかく不分離材料を(トレンチに)入れていく」と東電の提案を了承した。
2号機近くのトレンチには約5千トンの汚染水がたまっているが、埋設すると約50トンの汚染水がそのまま残る。
海洋流出をふせぐため、海側のトンネル部分を優先して埋設する。埋設は来年3月に終わる見込み。
東電は4月末、トレンチとタービン建屋の接合部にセメント袋を並べ、凍結管を通して周囲の水を凍らせる「氷の壁」を導入。
当初は凍結させて止水を完了させた上で、たまった汚染水を移送し、トレンチを埋める方針だった。
しかし想定より温度が下がらず、7月上旬からドライアイスや氷を入れても効果がなかった。
10月中旬から3種類の止水材を投入して未凍結部分を間詰めする工事を実施していた。
1~4号機の建屋周辺の土壌を凍らせて地下水流入を防ぐ「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」も予定されているが、
氷の壁の失敗で凍土壁の効果も懸念されている。